2016年11月29日火曜日

谷口トモオ『サイコ工場 1』

谷口トモオ 『サイコ工場 1』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆

☆満点作品です!


単行本持ってたのですが、おおかみ書房さんが電子版復刊されたヤツを購入したので改めて。

些細な社会の傷口に、ペン先を突っ込み、グリグリと押し広げてブラックホールにする、という「シチュエーションスパイラルホラー」とも言うべき特徴を持つのが谷口トモオ(矢口順一)先生の作品群。
後年、矢口順一名義でやった、奥田英朗のコミカライズ作品「精神科医 Dr.イラブ」も、小説の元々持つ特徴もあり、そうした出来事が過剰に、理不尽に、手に負えなくなっていく様がアリアリと描かれています。

ややギャグっぽくもあるのですが、状況が個人の責任能力をバンバン越していき、当事者の精神を蝕む狂気は、好見のぼる・池川伸治・川島のりかず・神田森莉などに立ち並ぶ、まごうこと無き「ホラー」の描き手。

異常な状況を絵にさせると、漫画界随一の作家さんかもしれません。
勢いでバーッと読めるので、ちょびっとバタ臭さのある絵に抵抗なければ、「まず見る」ことをオススメします。





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