オガツカヅオ「かえるのうた」
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆☆
☆満点作品です!
漫画誌における「カラー」。
全編モノクロの本の中で、色んな契機を示す手法、読者的にも非常にワクワクながら、作者さん側においても、結構「やるぞー!」とワクワクする部分なのではないでしょうか。
が、その「ワクワク」を、展開のひとつとして漫画に取り込む手法が存在するとは…。
ほぼオガツカヅオさんの短編は単行本になっておらず、朝日新聞出版の読切アンソロシリーズ「シンカン」には数多く「単行本未収録作品」が掲載されています。が、このシンカン掲載作品の中でも劇画おおかみさんによってWEB復刻された「よふさぎさま」と、こちらの「かえるのうた」は突出した出来の短編だと思います。シンカンVOL.2へ掲載。
歪な雰囲気の家族が、カラオケルームの一室に全員集合。
不思議な会話・不思議なエピソードで、徐々にこの物語の形が明らかになっていく中、作中キャラの「巻頭カラーページの次ページで行われた、巻頭カラーへのツッコミがギャグ的手法では無かったこと」に気付かされた時、第一の激震が。
そして家族の意味合いが明らかになり、第二の激震。
更に主人公の姿が明らかになることで、第三の激震。
たったの30ページ程度の短編で、何回この人は読者を震えさすんだ!!怖い!!!
と言いながらもホラー的要素は薄く、「よふさぎさま」と同じく無理矢理定義するならホラー漫画だけども、定義し難い、ただただ「面白い漫画」です。
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