羽生生純『千九人童子ノ件』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
☆満点作品です!
漫画家・搬入機材(主人公の名前です)は、連載中の漫画を打ち切られ、あてもなく実家に帰ってきた。
が、結婚し家族で暮らす弟も含めた実家に既に彼の居場所は無く、居辛さもあって出掛けた「千人塚」、そこで一人の少女と出会う。
「変な人間」が作り出す、「変な状況」をとにかく作り出しまくる、羽生生さんの伝奇ホラー。
常々、ホラーとギャグは紙一重、と思っているのですが、とかく羽生生さんのキャラクターは、ギャグ的存在でありながら、前のめり過ぎて「怖い」。
「何をするか分からない」キャラクターを巧みに作り出す羽生生さんが、「何が起こるか、何が起きているか分からない」状況を巧みに作れない訳がない、「分からない」→「怖い」。
初っ端から、職・拠り所を無くした主人公が、段階的に、更に居場所を無くしていくのも恐ろしいのですが、平行してどんどん訳の分からない状況に追い込まれていくのが、ともかく怖い。
伝奇ホラー?モンスターホラー?サスペンス?神話的恐怖?
…最後まで読んでも、いや、最後まで読んで羽生生さんのあとがき「らしきもの」を読んでも、その物語の正体は分からない。
俺は何を読んだのか?
何を読まされたのか?
何人?何件?
千九人童子ノ、件。
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