オガツカヅオ「こくりまくり」
怖さ:☆☆
造型:☆
状況:☆☆☆
不気味な扉絵とは裏腹に始まる、ラブコメ。
小学生男子・名倉くんは、学年一イケイケな木目米さんに告白をされる。が、断る。名倉くんは言う。
「俺の好きなタイプは 霊の見える子だ」
名倉くんの無茶苦茶な発言が、現在に影響を及ぼしたことで、イケイケな木目米さんが扉絵と接続します。
木目米さんは、如何な成長を遂げたのか。
それに名倉くんはどんなリアクションをするのか。
と長ったらしく説明しておりますが、その間4ページ。
グルグルと目まぐるしく展開する「ラブコメ」ですが、括弧を付けたことで、ん?と思われた方は正解で、オガツ先生がわざわざフツーのラブコメを描かれる訳なんてないのです。
そして、わざわざ「1日1ホラー」なんてここに書いているということは、つまり、なんですね。
そしてそして、今読み返して思ったのですが、「ワンダと巨像」のキャッチコピーなんですよ、この物語は。
「最後の一撃は、せつない。」
最初の一撃で扉絵の意味を知り、二撃目でラブを知り、三撃目で漫画のジャンルは変貌し、ラストの4撃目でようやくタイトルの意味が分かり、読者は切なさに身を包まれることでしょう。
「エクストリームマンガ学園」にこの作品を招致した劇画狼さんのセンス、流石だと思います。…まぁオガツベスト作品は「かえるのうた」だと思うけどね!!
あと余談ですが、アングレーム漫画祭に伊藤潤二先生が招待され、そのレポ漫画が今号に掲載。おそらく小品ということもあって、おそらく単行本には載らんのでは、と思われます。
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