2019年12月19日木曜日

涌井和夫『怪談めくら双紙』

涌井和夫『怪談めくら双紙』
怖さ:☆☆
造型:☆
状況:☆☆☆

盲人・文弥は姉の奉公に出るお金で、座頭の位を買う為に上京。途上で出会った商人・重兵衛は親切にしてくれたものの、商売が上手くいってないことから彼のお金を奪うために殺害。文弥の執念が重兵衛を揉み殺さんとす!
X-MENと見紛うばかりのサイケな表紙が格好良い一冊です。

単なる善人・悪人の二分論で物語を片付けず、また、「盲人を出すための時代劇設定」みたいな安直な作りで無く、きちんと作られた「怪談時代劇」。とはいえ、「恐ろしさ」よりも、「人間の因業」が主眼に置かれている作品です。
…恥ずかしながら、「座頭楽師」「按摩さん」が時代劇にホイホイ出て来るので江戸時代には障害者に対する職制があるのかと勘違いしてましたが、前提として「座頭・検校の位の購入」が必要なんですね。貧乏で障害を持っていると、行き詰まってしまう。漫画で学んでしまいました。


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