怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆
蝶をやけに恐れる少女・めぐみ。図らずもその恐怖の所以に触れる事となり、彼女は恐怖と向き合わざるを得なくなる。恐怖を見つめる事で、自分のルーツを、自分を、見つめる。
…ウーン、テーマとしてはとても楳図的な、自身の根源と恐怖が重なる骨太な作品ながら、途中で作品の要素として迷った感じが見受けられるというか、「刻み付けられた恐怖からあちこちに蝶の幻影を見ていた」のか「不吉な予兆を感じるとそれが蝶の姿となって見えていた」のかよく分からないまま、エンディングに雪崩れ込んでしまう感じがあります。
『こわい本』シリーズが何度も判型を変えて出直す事自体は分かりますが、本作単体をわざわざ文庫で出し直したりするのはちょっとよく分からない作品。
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