2025年4月9日水曜日

古賀新一『魔女黒井ミサ』


怖さ:☆☆

造型:☆

状況:☆☆☆

『エコエコアザラク』で中学生だった黒井ミサが、高校生となった続編。本作ののち、雑誌が変わって『エコエコアザラクⅡ』へ。

『エコエコアザラク』は「ミサが罰を下す」という形式の怪奇漫画だったのが、「ミサが出くわす怪奇事件」にユルっと移行し、より怪奇漫画連作短編っぽさが強調されています。…とはいえ、その分スカッと感・ゴア感は減じ、「ホラー漫画」より「怪奇漫画」的な印象に。

個人的にはそれぞれ2巻に収録の「鶏を飼う女」:優秀な姉へのコンプレックスから死後の状態を恐れる姉を殺害する上に生前・死後共に陰惨な加虐を与える妹を描く作品は、他二作のもっとビジュアル面でも酷い作品より、強烈な内面のグロテスクさに驚きます。また「優れたウェイトレス」:昨今の配膳ロボに二十年以上先んじて、優れたウェイトレスロボを導入したレストランの主人がロボを頼るあまり、ロボからも独占欲や嫉妬の様なものを発生させてしまう…という作品の、古賀先生の先見性・感覚には痺れます。



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