2025年4月30日水曜日

黒田みのる『猿の惑星』

 


怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆

 フランクリン・J・シャフナー「猿の惑星」コミカライズ。
ほぼ映画の筋書き通りながら、随所に黒田みのる劇画センスが埋め込まれ、「SF映画」よりも表紙にある様な「怪奇SF長編」といった趣を強く感じさせられます。

映画の日本公開と共に持ち上がった企画らしく、黒田先生以下アシスタントの皆さんのあとがきから、長編描き下ろし企画との苦闘の日々が垣間見えます。

雑誌のみの刊行・今となっては手に入れ難いレア作ではあり、映画の存在とは別の魅力を持った作品ですが、とはいえ「黒田みのる怪奇漫画」の描画・描写的なアクは弱く、入手は表紙の鮮烈さに惹かれるかどうか、が大きいところでしょうか。

…「映画公開に伴う企画」、黒田先生たち、何がしかの資料は渡されたのでしょうが、今ちょっと調べたところ、家庭用VHSの販売が昭和50年頃からで、本誌の発行が昭和46年。作品制作にあたって「映像資料を手渡された」とは考えにくく、「映画館に何度も足を運んで記憶から絵を起こした」・「パンフレット/脚本等から絵を起こした」のか…?




0 件のコメント:

コメントを投稿