2025年9月18日木曜日

『comic死角 穢れた愛』

怖さ:☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆

とりあえず著名作家作品をまとめた元本から、テーマアンソロ・電子に切り替え、10年振り近くに復活したホラー漫画アンソロジー。

元本が日野日出志・犬木加奈子・伊藤潤二・呪みちる…といったレジェンド作家の作品を収めていた事もあって、一作毎のクオリティではそちらに軍配を上げざるを得ないのですが、テーマを絞った事もあって、アンソロジーとしての面白み・編集意図は圧倒的に本作の勝ちだと思います。

参加作家でお名前が分かるのは志水アキ先生くらいだったのですが、いざ読んでみると全く知らない作家にホラー漫画として確かな面白さが感じられて、とても良かった。

自分はあらふじぺす・一宮幽・北屋けけ作品が良かったのですが、中でも井上まい「テノヒラ」、女性の手に執心する吉良吉影・腕だけの女性が何故か生きててそれを愛でる川端康成「片腕」を連想する…でも全く別ベクトルの「手への執着」の発想の見事さ・どん詰まりの人間の描き方の巧さ、に惚れ惚れする様な名品でありました。次号「死角」には参加されて無いようですが、この作家を追っかけてみたい。



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