2012年1月12日木曜日

2011年面白かった本10冊!



年が明けて少し経ってしまいましたが、
今更ながら昨年の読書、まとめ。

就職活動・卒業論文制作がかぶった年で、
例年ほど本が読めませんでした。漫画は大量に読んでました。
が、敢えて面白かった本を10冊羅列。


ものすごくうるさくて、ありえないほど近い  
  
9・11を乗り越えて、人は如何に生きるべきか。
9・11は僕にとってニュースでしかありませんでしたが、
「3・11」を直接のモノでは無いにしても経験した今、本作のテーマが、内容が、生きて自分の脳内で咀嚼されたように思います。


アウトサイダー・アート 芸術のはじまる場所
「アウトサイダー・アート」というアートジャンルについて、著者の論考。
美麗な図版も見ていて楽しめるのですが、
大分目新しさの薄れて来た「アウトサイダー・アート」という言葉について、元々知っている人が考え直すには非常に良い本なんじゃないかと思います。


虐殺器官
あ、これも「9・11以降」が舞台なのか。
「進んで行った戦争」が何処へ行き着くのか、というひとつの答え。
SFがどんどん形になっていっている今、SFが「娯楽としてのフィクション」という姿を失い始めて、「未来予想図としてのフィクション」になっていっているんだなぁ、と実感。
あ、俺まだハーモニー読んでねぇや・・・
読書家の社長さんに貸してもらった本。
教会の経営する農場で働く、主人公とその生臭い思想。
血と精液と牛糞が匂い立つような文章。
やっぱ頭で考えてるだけじゃ駄目だな、
何でもぐいぐい体験していかないとな、と思わされてしまう。
説得力、迫力は、自分の血からしか産まれない。


羆嵐
日本最大の獣害事件を題材とした、ドキュメンタリー作品。
フィクションだと思いたくなるような、凄惨な事件。
本当の本当に「目の前」で起きている恐怖に対して、人間は為す術が無い、無力なんだ、と思い知らされた。どんなに覚悟を決めていても、この世にはどうしようも無い事がたくさんある。


密会
読書家の後輩が貸してくれて、高校生の時読んだ『砂の女』ぶりに読んだ安部公房。
酷くグロテスクな世界ながら、
その実、僕らが普通に生きているこの社会こそがグロいんだ、と逆に教えられてしまう、
辛辣でしんどく、変な世界。


暗渠の宿
読書家の後輩が貸してくれたモノその2。
西村賢太初読。
驚くほど主人公がクソ野郎なんだけど、ほとんど作者そのままらしい。
よくもここまで赤裸々に書ける。
世の「実録」「赤裸々告白」「実話」なんて銘打って文章を出している人達が如何に嘘臭いか。
それにしても作者は中卒だと言うのに、未だに「暗渠」の意味すら俺は分かって無いなんて、大学教育ってなんじゃらホイ。


切れた鎖
読書家の後輩が貸してれたモノその3。
おいおい、俺が去年読んだ本、お前の貸してくれたヤツばっかじゃねぇか、M君。
表題作よりも、自意識の在る甲虫の成長を描く『蛹』が面白かった。
福光しげゆきのウジウジした感じに共感を覚えてしまう人なら、
きっとこの人の小説を、居心地の悪さと親近感と共に読める筈。


夏への扉 
タイムスリップ/ワープ/リープものSF小説の、金字塔。
多分リープかな。
にもかかわらずワタクシ、この年になるまで未読でした。
「シュタインズ・ゲート」のアニメ視聴とどちらが先だったか忘れてしまいましたが、「主人公が力強く運命を塗り替えていく」という共通点から、どちらも非常にアツい思いを寄せた作品です。


鬼物語
俺が唯一きちんと買ってるライトノベルのシリーズ。
シリーズ中でも特に「ご都合主義で終わらせなかった」、
しっかりと伏線を回収した(多分作者も読者も登場人物も望んでいなかったであろう)のがこの巻。
寂しい。
シリーズとして見れば非常に良い出来の作品ですが、奈何せん巻数が無駄に多い。
もうちょっとペースと冊数を落として、落ち着いて作って欲しいところ。


大分人から借りて読んだモノにグッと来ることが多かったので、
今年はもうちょっと主体的に選んだ本を、主体的に読みたい。
よし、今年は少し漫画から離れて、本読むぞぉー!

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