早見純『純のはらわた』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
エロスは鳴りを潜め、早見先生が持てる力をグロ・狂気・怪奇にハンドルを切る。装丁、扉絵などにもガシガシ不穏な空気が滲み出ています。
早見先生の絵、女の子などは神聖ささえ感じさせる美しさがあるのですが、それを思いっきり破壊することで、美と醜・生と死といった対照が、読者に迫ってきます。
本作でも幾人もの女の子が、読者の、早見先生の怪奇探求の欲望のために殺されていく。
惜しむらくは早見純漫画とエロは切っても切れない相関関係にあること。
「汚いものを描くことで、そこに美しさを見出す」というのが早見純漫画の最大ポイントだと思うのです。
故に
異様な人面疽譚「人面疽狩り」、
正体の分からぬキラー友情記「久美が泣いている」
など良作まみれではあるのですが、何かが足りない!ちょっとドラマが足りない!怖さが足りない!…怪奇作品集とする為に抜かれた、エロスが足りない。
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