怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆
ひばり書房においても、アウトサイダーな感のある作品。
何がか?
日野日出志『赤い蛇』・川島のりかず『殺しても生きてる女』と並ぶ、ほぼ唯一の「ベッドシーンのある単行本」なのです。
現代において、って言うと変ですが、「ホラー」を描く際にほぼ「性」は切っても切れない関係にあります。
寺山修司が何度も描く様に、「安心・安全な母の胎内から出て来て、恐ろしい現実社会で育って、生きていかなくてはならない」という実存・存在の不安、それの起因は「産まれた」ことであり、「産まれる要因を作られたこと」にあるのです。
まぁ小難しい屁理屈はとりあえずとして、
エロとホラー、当たり前の組み合わせなのに何故ひばりにおいてそれがアウトサイダーなのかというと、「ひばり書房が読者として狙っているのが小学生辺りだったから」。
ひばりの良心、というと変な話ですが、どんなに人が死に、どんなに人が醜く変形しようとも、おっぱいなぞはほぼ出て来ないのです。
が、本作は「淫行教師が次々にたいらげてきた女性・過去から、恐ろしい復讐を受ける」というのがメインストーリー。進行中にも女生徒がひとり、餌食になります。
結果、産まれ出づるのが、タイトルの…。
復讐の部分は霊的エネルギーによるものながら、その「恐ろしさ」に、思いっきり物理エネルギー、パワーでガンガン押して来るところに、川島のりかずノリが見えたせいか、
「K.ギマンは川島のりかずの弟ではないか?」
という風説もありましたが、真相は如何に。「K」が川島だったら良いなぁ、なんて確かに思う所ではありますが。
なお、作者の単行本はこちらと、ひばり書房系列出版よりエロマンガが1冊、計2冊のみ。エロマンガで良いから、ギマン先生の単行本をもっと見てみたいものだよ…。
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