白川まり奈『妖霊島』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
白川まり奈、Akebono Comics。
平家物語ゆかりの地を巡る、女学生二人。
海辺で出会った絵描きの老人は二人に、自作の平家物語絵巻を見せる。
平家物語とは何か?人の念は、死者と生者を分つものは。
時代と生死の彼岸とをバラバラに叩き毀し、掻き混ぜる怪作です。
他の白川作品の如き、強烈なオリジナリティと怨念の籠った様な妖怪・妖怪的なものが登場しないのが少し物足りなく感じるものの、
「人間の凶悪さ」から発生する血みどろ展開は、白川作品中でも屈指の忌まわしさ。
ややパワープレイ気味なラストは、とはいえそこまでの「年月の蓄積」によって、ただの力技・ホラー漫画の馬鹿馬鹿しさとは見過ごせない、強烈な説得力を帯び始めます。
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