Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2020年12月2日水曜日

成毛厚子『くつ箱の中から…』

成毛厚子『くつ箱の中から…』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆

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☆満点作品です!

成毛厚子短編集、9編を収録。
収録作概ね全部素晴らしく嫌な読後感。家族・夫婦生活や、サラリーマン・OL、カップル等々、「普通に上手く暮らす社会人達」が唐突に落とされる不条理地獄劇。
滅茶苦茶偏見でモノを言うと、女性作家が「イイ大人」を題材にした時、特にホラーにおいてはほぼほぼ「美醜」「愛憎劇」がテーマになるのですが、本単行本の収録作はも、全部不条理。得体の知れない人んちのペットの話、新居に暮らす家族に変に辛い地域社会、感染症らしきものに罹った主人公への不当な扱い…。

中でも、くつ箱異世界に強制送還される表題作が「送られて終わり」でなくて、凶悪に不条理。本作単体でも、単行本としても、とても嫌な読後感が残ってしまって、ホラー漫画として満点でした。


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