Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年11月19日水曜日

高階良子『妖花』

 

怖さ:☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆☆

高階良子短編集。収録6作のうち、ホラーチックな作が3作・サスペンス/ミステリチックな作が3作、という感じ。

表題作は、人に変じる花、という一種定型的な怪異を描く作品ですが、高階先生が収録作「ぜんまいじかけの時間」と共に、「そのエロチックさ異常さにガクゼン」とご自分で書かれる様な、しだ翠『蘭館』の「人を花と見なす」の逆、の構造の様にも思えて来る生々しい手触りがあります。

巻末でページ少なめの2作ながら、「裏切り者への贈り物は生命」「野辺の送りに消えた女」も、それぞれ厭ァな迫力のある良篇で、中々良き単行本。



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