Subbacultcha
「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。
2017年1月27日金曜日
高塚Q「夢見る床屋」
高塚Q「夢見る床屋」
怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
「オール怪談 8号」より。
高塚Q先生はほぼ蒼馬社系の雑誌のみの活躍で、結局単行本は1冊も出なかった作家さん。
けれども、現在Twitterにアカウントがあり、プロフィール欄に「毎日が酸性の消化液に浸かってるような日々を過ごしてる10代の思春期たちへ」と書かれているように、
独特のジュクジュクした感じが強烈な作品群を作り上げており、
そうした作風からファンでもあった古書ビビビ店主の馬場さん主導のもと、二冊の同人誌が刊行されました。ありがてぇよぅ…
こちらの「夢見る床屋」は、その二冊には選ばれなかった作品。
確かにねじくれ度・狂気度はそれらの作品に比べると薄いものの、自分の様な酸性消化液どっぷり人間ならば最終ページの急速かつ異常な作品の収拾の付け方は、おっ、となるものがあるはず。
床屋「BLOODTHIRSTY SCISSORS」(高塚先生は音楽好きな方で、結構こうした小ネタがちょいちょい挟まれるのも、同じ系統の音楽好きとしてはたまらんところ!)はカット代10万円から、と異様な値段設定の床屋。
それでも客がやってくるのは、ある秘密があったから。
主人公はたまたま、その床屋が無くして困っていたハサミを拾って届け、カットしてもらったことで、何故そんな価格設定なのかが分かる。
分かって、ハサミを奪おうとする。
まぁここら辺までなら、「願いを叶える魔法のアイテム」系、としてくくれるくらいの作品なのですが、オチで「実はコレ、不思議人間ドラマ系漫画ではなくて、ホラーでスプラッターなんだよ!」とバーンと開示される漫画の構造。
ああ、もう1ページあったらなぁ!ともちょっと言いたくなる最終ページではありますが、多分このモヤッと残る感じ、多分高塚先生に踊らされてるんだろうなぁ…とも思えます。
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