怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
全2巻、2巻は電子のみの刊行。
怪奇・幻想に纏わり付かれ、生きながらいんへるのの風景を見てしまう人々。個人的には21話「夜の手」、息の仕方・食べ物の飲み込み方を意識するとし辛くなる…系のこの話が、とても怖い。
…所ながら、前ホラー連載『おとろし』に比べると、『いんへるの』はホラー感が薄れ、より「地獄の様な状況」の成立が志向されています。現連載作『ぢごくもよう』では更にそこから怪奇存在がほぼ登場しなくなり、ただただ様々な生の地獄を覗き見る様に。ので、ケッチャムとか湊かなえとかお好きな方には、どんどんカラスヤ先生の作風は洗練されていってる様に思うかもしれませんが、個人的には『石喰う男』の中に出て来るシュールな感覚が、ホラーに転じていく『おとろし』…の路線からズレていってる・辛い感じになっていくようで、ちょっと残念。
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