怖さ:☆☆☆(…めちゃ怖いけど求めてるのは「そっちの怖い」じゃあねえんだよなあ…)
造型:☆☆☆☆
状況:☆
大阪から東京への転校先で付き合う様になった半グレグループは半グレどころで無く、殺人・監禁・強姦も厭わぬブレーキの無い奴らだった。
2019年に、少年画報社のマンガアプリ「マンガDX」で連載された作品。…多分ジャンプ+やらマンガワンの大手の先行アプリと比べると致し方無いとも思うんですが、強制動画広告らやチケット制やらで兎角このアプリは使い辛かった…(今し方App Storeを見てみたらもう見当たらない…)。運営自体がどうなるか分からない不安定さの中、本作もまとめて読める様になるのか危ぶんでいましたが、電子書籍にはなってくれました。全4巻。
序盤こそ心霊・幻覚描写もあってホラーっぽい手触りがありましたが(主人公の語る創作論・怪談のコツは金風呂先生自身のものか?面白い)、中盤辺りからはひたすら無為な暴力・強姦・流血・殺害(流石に治安悪い地域でもマンションのベランダから同じ位置に何人も落下死してたら何らか警察が動くじゃろ!)が、金風呂先生の実際に経験があるんでないかと思わせる生々しい空気感・写実性の強いタッチ・怨念を感じさせる点描により、何度も何度も描写され、早く誰かコイツらをどうにかしてくれー、と辟易して来ます。誰もどうもしてくれません(『郊外地獄』刊行の頃に、作家自身が「ウシジマくんはホラー漫画の理想形のひとつ」と仰っていたのを思い出します)。
その「無為さが重なること」自体に意味がある作品ではあるのですが(後味の悪い凄惨な作品ながら故に最終巻の静謐さは却って凄まじい)、個人的にリョナ趣味の「安全圏から一方的に強者が弱者へ攻撃を加えてボロボロにしていく」みたいな感覚に嫌悪感があり、本作の暴力描写には若干そうした所があってキツい(とはいえ「ワールドイズマイン」を彷彿とさせる様な「無差別さ」もある様にも)。
2026年現在、作家唯一の長編漫画作品。ホラー漫画としては断然『呪界』や『郊外地獄』の方が面白いんですが、作家の持つ「生々しい暴力性」の表現としては、現状到達点的作品かと思います。


0 件のコメント:
コメントを投稿