奥谷通教、増田俊哉『シャトゥーン~ヒグマの森~』

 

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です！

増田俊哉によるベストセラー、コミカライズ作品。「人喰い熊」をメインテーマにした漫画作品は他に、マガジンKC『キムンカムイ』なんかもありますが、少年誌・青年誌の違いによる残虐描写の差もあるものの断然こちらが恐い。

後半、人喰い熊と化した「ギンコ」に主人公たちが追いかけ回されるシーンも中々にトラウマティックなのですが、序盤・中盤辺りに登場する「クマに喰われるシーンを主観的に表現する」箇所が何ヶ所かあり、もーう嫌で嫌で…。北海道の雪山にはもう絶対行きません。

本作は厳密には「ホラー漫画」では無いのですが、描かれ方は完全に「モンスターパニック」。本作の一連の出来事は虚構のものではありますが、三毛別の件もあって、下手な怪獣・怪物が登場するフィクションよりも「隣接する恐怖」として読者に迫る所もあり、怖い…。