Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年2月11日水曜日

神田森莉『少女同盟』



怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

神田森莉短編集、4篇を収録。

表題作は、学内カリスマ集団に見初められた女性主人公コンビが、その集団に招き入れられる事で集団の真の姿を目にする、というもの。個人的に本作品集メインとなる、「美々子神サマになります‼︎」とテーマを同じくし、「カルト集団の隆盛を描く作品集」というノリを引き立てます。

「美々子神サマになります‼︎」。

ノリでUFOインター教団に入った中三の美々子は、一意専心・幹部に登り詰めたのち、悪しき教祖を誅して二代目となる。馬鹿馬鹿しさを突き抜けたバカ表現の極みみたいな作品だと思いますが、他の神田作品の様に「結果得する怪人・狂人」は存在せず、主人公・主人公の身内・教団関係者・マスコミ・警察、どの陣営も等しくバカで、救われぬ結末を辿る、という点で「神田森莉先生の平等な視点」が感じられる作品です。明記はありませんが、四谷シモーヌ『悪の華 インコ真理教入会マニュアル』と同じく、(「オウム」を「インコ」に置き換えたりした)明らかにオウムをネタ元にした作品であり、後者と違って、教団の滅亡までの道のりを過激に戯画化・ホラーへ変貌させているものの、狂ったパワーで無理やり邁進する神田森莉作品群の中においては、割合丁寧に破滅の道のりを辿って行く作品。…なので、逆説的に、「神田森莉ホラーとしては丁寧過ぎて若干パワーを失っている」と言えなくも無いのですが、とはいえ、その破滅っぷりは、他の作家に描けぬ強烈な独自性があるとも思います。

残り2篇、「うらみの双美人」は超絶富豪・シャム双生児がかぐや姫よろしく各々の自信ジャンルを持つ4人のイケメンに無茶振りかましてくる短編で、イケメン中の一人が電波人間として「美々子」を応援する様な世界観を持っています、「メリークリスマス サンタ老人」は如何にも神田先生がクリスマス期故に描いた仕事漫画の様な12Pですが、古来よりホラー漫画は短ければ短い程良い…と言われる様に(?)、短さ故に神田先生の魅力の詰まった良掌編(でも他の3篇に共通する様な感覚は一片も無し)。






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