Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2019年12月29日日曜日

このマンガがすごい2019(ダーク編)




こんちわー。
いよいよ、消費税10%の異世界に転生してしまった。
 昨年末にジャンプコミックスが400円+税→440円+税に値上げ。近い将来、コレ500円になるよなぁ、「少年」ジャンプなのに、少年が買えるもんじゃなくなっちゃうよ…とドンヨリしたのですが、某フェミの人が「ジャンプにフェミ要素を!」とツイートしたところ、各界のオジサン達が反応・大挙して大反対を唱えてるのを見、少年が買うとか何とかでなく、「少年ジャンプ」をお金出して買ってるのって、もうオジサンしか居ないんじゃ…と更にドンヨリした気持ちになりました。(若人は無料で読めるもの・違法DL、もしくはYouTubeかソシャゲか、なんじゃないか、って…)

暗いですね、先行きはいつも常に暗い。
そんな訳だかこんな訳だか、今年もこのマンガがスゴいを陰湿なヤツが、陰湿な感じで選ぶ。せっまいランキング、やります。
…一昨年辺りまでは、言うて自分も「本家」を多少気にしてたのですが、もう何が一位だ二位だ、「他人が好きなもの」なんかどうでも良くなってしまった。この記事を書いた後もきちんと何がトップ取ってるかとか気に出来るか分からない、年、だろうか…。

→過去の「このマンガがすごい(ダーク編)」

対象は「2019年中に出版されたマンガ単行本のみ」。
ベスト3以外は、順不同・同列です。


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福島聡『バララッシュ 2』

アニメが大好き過ぎるけど、論理だけで技術は無い山口。
愚鈍でいじめられてたけど、圧倒的なアニメの才があった宇部。

宇部に「理由」を与えて、共にアニメの獣道に踏み入っていく山口、前巻で一学生に過ぎなかった彼らが、いよいよ業界のはじっこに噛んで実際に制作として動いていく、「青春アニメ制作漫画」2巻。
(色々怒られそうですが、「力」に「方向性」を与えていく友情の関係性はちょっと「ろりともだち」を思い出します)

福島聡の短編集『ローカル・ワンダーランド』の一短編「ストレート・アヘッド」を連載作品化した作品で、
…いや正直、この短編集がまたとても良くて、その中でも本作は凡というか、個人的には凡以下だったので(他の作品が良過ぎて)、本単行本を見つけて読んだ時に「あ!アレか!いや、アレだけど、なんでコレ!?」と非常に混乱したものです。

→何者にもなれないし、ならなくてもいい。ピンドラ、ピロウズ、『ローカルワンダーランド』

が、開始地点から「ストレート・アヘッド」で描かれなかった未来(現在)を描くことで、「違う」ことをハッキリ示した『バララッシュ』。
とはいえ、「ストレート」と同じく、あくまで「アニメ制作」を舞台として精緻に描きつつも、本巻の帯にも採択された部分で強烈にこの作品のテーマが「友情」であること、が読者に印象付けられます。…とはいえ、友情がテーマだからってそれが成就するだけでなく、断裂もあり得る、という展開、福島先生らしい意地悪さで大好きなんですよ。
「意地悪さ」の後ろに「人間愛」が透けている、ヴォネガットみたいな感覚があるから、ともかく福島聡が好きで堪らない。
→タイムスキップコメディはSFラブロマンスへ『星屑ニーナ 4』、あと時間ものSFの色々とか

…現時点で3巻が最終巻であることが示されています。
「なつぞら」と「映像研アニメ化」という好条件に挟まれていて、この圧倒的な盛り上がりの無さはなんだ!!??何なんだKA・DO・KA・WA、もっと福島聡に金を使え!!!!




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ブーメランパンツ野郎『邪図』

ブーメランパンツ野郎、不条理ホラー漫画?短編集。
いや、決して本のどこにも「ホラー」なんて書いてないのですが、「世にも奇妙な」が捩くれ過ぎてしまって、奇妙から怪奇にクラスチェンジしてしまってるような異様さが全体に漂います。

ブーメランパンツ野郎先生、『群馬アイドル神話 馬セブン』を連載し始めた時にその異常なペンネームに惹かれて読み始めたのですが、全く好きじゃなかった
とかく意味が分からない。主人公勢が気持ち悪くどこに好感を持てばいいか分からない。絵もプロと呼ぶべきかよく分からない。なんで連載が続いてるのか、単行本が出ているのか分からない。
負の「分からない」だらけだったのですが、発売された『邪図』を読んで、ああ、この作者の分からなさは、これを形にするためだったのか!!!飛び跳ねました。

不幸が金になる男、オレオレ詐欺で乗り込んだ家のお婆さんがヤバかった、の話、男性器の生えた女の話、あり得ざる妊娠の話…
猛烈な勢いで意味不明な論理が作中の現実をねじ伏せ、キャラクターの気持ち悪さが状況の異様さを加速させ、グラついた絵柄が歪さを加算し、作者や出版社がこの本が売れようが売れまいがとかく世に出したら勝ちみたいな出し逃げの凶悪さ…

自分の感じた「負の分からなさ」が、「この作品の良さ」に全部反転してしまった。猛烈な異界感を喉の奥にねじ込まれる。





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浦部はいむ『あ、夜が明けるよ。』
浦部はいむ初単行本。
雑誌掲載 「僕はトイレが怖いんです。」から知った作家さんで、本作は一見ルポ漫画的、「よくある日常」を描いているかに見せかけて、突如地獄に突き落とす作品。おおよそホラーっぽいのはこの一作で、基本的には「しんどそうな人間を描く短編集」という感じ。
けれども、その作品群は常に「作者の作品へのいたわりの視点」を感じさせます。

本当にしんどそうな人ばかり出てくるし、別段その人たちが必ず救われる訳でも無い展開は、間違ってもビッグコミックとかFEEL YOUNGとか「職業大人の読む漫画誌」みたいなところに載せるべきでない雰囲気もあるのですが、
展開ややり取りよりも大枠の部分の、優しさというには少し弱い、「著者の労わり」が、インターネットにより近過ぎる・または離れ過ぎる人間関係のしんどさ・噛み合わなさに対して、潤滑油の様な役割を果たして、「イイ感じ」になるんですよ。

いや、爆発的な盛り上がりとかは少ないので、ちょっとツイッターアカウントから1個くらい、著者の短い作品を探して読んでみて下さい。
ジワっと来たら本作を買うべき。

…なお、同年『僕だけに優しい君に』という長編作品も発売されましたが、こちらはハッピーエンドながら全体に漂う鬱感が強く、鬱々とした方が読むと完全に落ちるし、ハッピーな人が読むと物語の起伏が少なくてあまり面白く無かろうし、イイ作品ながら人には勧めづらいところ。




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乙一 / 崇山祟『シライサン』

崇山祟長編2作目の単行本にして、初のホラー漫画単行本、また乙一原作映画・小説のコミカライズ。
ヤッター!ヘンテコポップの方(も好きですが)で無くホラーの方の崇山祟!…ながら、どうしても出て来る時折のヘンテコさが愛おしい。

オカルト趣味の女子高生・トリコは、 通う古本屋で見慣れぬ古書を見つける。そこに書かれた伝承を怪談としてクラスメイトに語ると、聞いたクラスメイト達は順々に同じ症状で怪死を遂げる。トリコは自分の作ったオカルト部にたまたま集まった面々と、その謎に挑む。

元が映画作品だからって訳でも無いですが、「主人公が死なない」という前提なので、「ホラー」としての威力は少し弱いものの、「マイナー趣味の高校生の日常」が徐々に「趣味との向き合い方」→「生き方を考える(青春)」に転化されていく行程、
…「青春を失ったあなた」にこそ響くのでは…?
ホラー漫画よりは、青春怪奇漫画、的作品。

崇山祟という作家の変遷を追っていると、「この本のあとがき」が「とても良い文章」として沁みます。
何か面白・変な漫画家だなぁー、気になるなぁー、と思われたら、『恐怖の口が目女』は簡単に手に入るので是非併せて。

→「崇山祟」ブログ内検索



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緑の五寸釘編 『BAD END』
…昨年の『孤独』に引き続き、同人誌をこの中に入れて評価をしてしまうのはどうかと思いますが。
ホラー漫画アンソロジーとして完璧であった『孤独』、まさか第二弾が出てしまうとは思わなんだ。

多分、制作費が跳ね上がってしまったんでないかと思いますが、一枚絵とはいえ、呪みちる・伊藤潤二が寄稿。…もし第3弾作ったら、日野日出志・高橋葉介辺り連れてくるしかないやんけ…!
本単行本がもし本屋に平積みしてあったら、客が手に取るのは無論呪みちるの表紙の力だろうけど、申し訳ないことながら、意匠の中では呪先生より伊藤先生より、(そのお二方と比べるとまだまだ全く知られていない)金風呂タロウ先生による目次が強烈な呪力を感じました。この禍々しさが唯一無二なものとして、もっと世間様に知られて欲しいですよオイ世間!

→「金風呂タロウ」ブログ内検索

勿論、収録内容に関しては、ホラー漫画ファンなら文句なしにどれも面白いです。
いやー、オガツカヅオ 「こえる」リメイクとか猫黒ノミコ「狂気水路」を収録とか、事前の想像を遥かに上回りました。





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・道満晴明『バビロンまでは何光年?』
宇宙人?の様な二人組に付き添われ、星から星へ、セックス相手を探すバブ。

…道満晴明らしいヘンテコさの彩る、スペーストラベルSF・連作短編集。だと思いながら読んでいくと、段々その短編が「断片」として成立し始め、やがて「大きな物語」の形を取り始める美しさ。

失礼ながら、成年オンリー時代の単行本から、エロさはともかく「ペーソス」(「泣ける」的温度感で無いところがミソ)を練られ続けた集大成、のように思ってしまいました。
前作(の時系列でいいんだっけか?)『メランコリア』の物語構造にも度肝を抜かれましたが、本作のこの、「1冊でキッチリ壮大な物語が広げられてまた閉じられる」様の美しさったらもう。職人芸。

勿論、合間合間のギャグも外すもの無し。
「宇宙一のレーンの長さを誇る回転ズシ、目の前で板前さんの握ったモノはレーンに流されて119万年後に客へ届けられる」とかギャグとしてもSFとしても満点、センスオブワンダー大爆発って感じです。






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・ネルノダイスキ『ひょうひょう』


何冊か出ていた同人誌を、アタシ社が単行本としてまとめて発売。

逆柱いみりや水木しげる作品を思わせる、極度にデフォルメの効いたキャラが細密に描き込まれた世界を縦横無尽に動き回る作風、好きで、
おそらく収録作掲載同人誌は全部買ってたんでないかと思うのですが、
このビッカビカの単行本は非常に嬉しい。

ビッカビカなんや。
去年も『暗黒神話完全版』をベスト作品として挙げてましたが、
「本を手に入れる」ということは、「持っていたい物」と同義でもあり、勿論普通にフォーマットに沿った装丁の単行本で全然良いと思うんですが、一方、やっぱカッコイイ物質に対しては、どうしても執着が生まれてしまうんですよ。
況や、ネルノダイスキをや。

大好きな作品(柴犬クリーニング、冷蔵庫防護お守り、凶悪もへじ等)もニマニマしながら読んだ他、初読の「皿TRIP」、オチがあまりにも素晴らしく、一緒に破顔。


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ここまで7作品。
ではでは、以下、特にヤベェ!スゲェ!の三作です。
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3位!
・雨がっぱ少女群『ひとりかごめ』
 ヤッタァー!雨がっぱ先生、待望のホラー短編集。

おそらくLOの単行本読んだのがファーストコンタクトかと思うのですが、
ホラー作品読んだのはそれから5年くらい経て原作付きの『怪想録』から。…悪くは無い本なのですが、あまり印象に残らず。
「雨がっぱホラー、読まなきゃ!」とやる気が出たのは『死角』の「文学青年」。アレは強烈でした。ちょびっと雑誌など漁っておったのですが。

…文学青年、あんなにキレたホラー漫画描ける作家さんのホラー漫画単行本が出ないなんて、どういうこと!?と誰彼問わずキレておりましたが、LOの本含んで良いならもう10年くらい待った!心待ちに、待った!

可愛い女の子、容赦の無いゴア描写、それらは添え物に過ぎない、
登場人物が「これはいつも通りの日常だよね?」と思い込んで居ると、モロモロと足場を崩され、ホラー時空へ。
個人的には特に「無数の孤独」の、「一人じゃないのに孤独な少女」の不安定な立ち位置の描かれ方が絶妙でグッと来る。

…ウェブ連載「彼岸の唄」、ホラー作品としてどれも逸品だったので、『ひとりかごめ』から何か動きが無いものか?と期待しておりましたが続報ナシ。

出版社サマァ!おねげしますだ、雨がっぱ先生をホラー作家として!どうか生かして下さいマアシィ!!(勿論今これを読んでるあなた、未購入でしたら何でも良いからすぐ買え)



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第2位!
・ハセガワM『マリアの棲む家』
 元々ギャグ漫画家「鮪オーケストラ」として活動していた著者の趣味的絵画が編集者の目にとまり、そのグロテスクさからホラーを勧められた結果産まれた異形。

探偵は金持ちから「家の中に居る筈の娘を探して欲しい」という奇妙な依頼を受け、その家の中へ。
「家ホラー」として「呪怨」を始めとしたジャパニーズホラー風の入口ですが、主人公(がそもそも居ない点も素晴らしい)が何と対峙してるか分からない、会敵しても何なのか分からないという、「分からなさ」によってジャパホラを乗り越えて居る点・また、その「分からなさ」を絵にしてしまう「著者の不気味な絵力」、ホラーとしての異質さを備えていて、素晴らしいと思いました。
「家」の様な身近な場所が「得体の知れない魔界」に繋がってしまう感覚。恐ろしい世界観ながらホラーと呼ぶべきかどうか困惑する様な作品、『紙葉の家』・帯を書く白石晃士監督「こわスギ!」シリーズ・藤田和田郎「双亡亭」に類似した感覚がありました。

前述の『ひとりかごめ』の「理詰めで常識を外す」感覚とはまた違う、「ガンガン絵で常識という壁を殴ってたら偶発的に壊れてしまった」という、意図を外すというか、外れてしまった感じが怖くて、ヨカッた…。

「笑わそうと長年磨いて来た腕」を感じさせる、強烈なハズし方の連続と奇妙な絵力に、慄く。「念を感じさせる絵」に対して、単に「気持ち悪い」で終わってしまう方は、あんまり面白い漫画では無いと思います。
ともかく「奇妙な世界を見て喜ぶ」数寄者、是非ページを開くべき




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第1位!!
詩野うら『有害無罪玩具』

まさか、「チラシのウラ」が「詩野うら」に変形して紙で出て来るなんて。
自分の中で何となく『胎界主』「金魚王国の崩壊」 と同じ、「ネットの片隅で俺だけが知ってる(と皆が思いながら)ちょっと頭を使って読むとても面白い漫画」のカテゴリだったので、まさか紙になると思ってませんでした。

表題作は「色々な意味で使用者に害の有る効果を及ぼすけどもそれを罰する法規定は無い特殊な玩具を集めた博物館」に置いてあるものを紹介する漫画。
生きてるシャボン玉、未来が見えるメガネ、見る人の五感に作用して最も好ましく思うデザインに変わる人形。架空の発明品が産み出す架空状況が、抉り出す人間倫理

哲学を真面目に読むのはしんどいけど、頭で考えるのは好き、
という自分と似た様な、ライトな「考える人」(というカテゴライズで正しいんだろうか)、相当数居るんでないかと思いますが、そうした人の脳味噌を、この単行本は嬉しくしてくれます。
違法も合法も麻薬なんて必要無い、「有害無罪」を読むだけで、あなたの脳味噌はあなたに脳内麻薬をドバドバ出してくれます!!

『偽史山人伝』も続いて発売され、2冊もチラウラ単行本が!大満足!!!
…欲を言うと、めっちゃくちゃ分厚くなっても良いので、思考実験的な作品を全部1冊にぶっ込んでしまって、「偽史」に含まれるやや散文詩的感覚の作品を1冊にしてくれたらなぁ、というところ。「偽史」の方は収録作の編集意図が見えず、個人的には「有害」の良さに軍配が上がる感じでした。

永遠に続く絶望みたいなものがあるとして、それでも考える事が出来るので人間は人間のまま救われる」みたいな、思考の限りを尽くす贅沢感を味わわせてくれる漫画。




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以下次点。

・とよ田みのる 『金剛寺さんは面倒臭い』
…何巻まで続いても、各巻がトップスピード。「アツさ」が魅力の前人の漫画家達・名作達も、山場の熱量においてはそうで無くとも、「全編の熱量」の強さ・多さについてはこの作品に劣って見えてしまう。…2019年末現在の最新刊、最終巻!?と読者を困惑させる装丁が素晴らしかった。

・山本章一『堕天作戦 5』
余りに4巻の盛り上がりが個人的に凄かったので、それに比べると少し平易な5巻でしたが、あくまで局所的な盛り上がりのためか、5巻は遂に電子版のみでの発売。落胆する堕天民たち。だが、そこからの追い上げが凄かった。WEBマンガ総選挙での、売れ行き総数の割には?熱の入った投票により、紙の単行本が後から発売決定。電子との重複購入堕天民多数。クリアファイル、クレープ、新宿駅大看板。こんなんもう、ジャイアントキリングですよ。
「盤外」が滅茶苦茶面白い展開でした。

・逆柱いみり『赤タイツ男 増訂版』
・逆柱いみり『はたらくカッパ 増訂版』
『ニセ京都』がシリーズ化、年一で出続けてるいみりさんですが、久々の単行本発売。過去作、新装版。前者はカバー以外、結構しかめ面しながら見比べないと、増えた分が分かりにくかったのですが、後者は結末が増補。…初期作こそ、後発のファンが読みたいけど手に入れづらいところ、でしょうが、いみりさんご自身が作品を見返さない・初期の作は好きで無い方、なので、無いんかなぁ?ケキャールは改版出そうな雰囲気がありますが。…まぁ本全部持ってるし、どっちでも良いけどね!!(唐突マウント)

・奈央晃徳 、山川直輝『100万の命の上に俺は立っている 8』
なろう系デスゲームっぽい大枠はどんどん現実の問題に肉薄していき、この前の巻から遂に「利権を巡る戦争(南米、麻薬戦争をモロに想定した)の無くし方」へ。主人公たちの超パワーが前提になるとはいえ、「実際の現実世界の問題への解決」を少年マガジンのタイトルでやる、真摯さと面白さ。


・藤本タツキ『チェンソーマン』

・金風呂タロウ『水乞い』

・江野スミ『亜獣譚』

・西野マルタ『えんこうさん』

・カラスヤサトシ『いんへるの』

・岡本倫『パラレル・パラダイス』

・木々津克久 『開田さんの怪談』

・石塚真一『BLUE GIANT SUPREME』

・nifuni、 かっぴー 『左ききのエレン』
・山口つばさ『ブルーピリオド』

…ホラー漫画誌は滅んだとはよく聞く言ですが、本年、カテゴリとしてのまとまったホラー漫画は無くとも、ホラー漫画というジャンルは全く滅んでない様に思える、多数の名作の発売っぷりでした。
勿論ホラーに限らず、「紙の本は滅ぶ」もよく聞くところですが、アニメ化からの『鬼滅の刃』爆売れ、みたいな例もありますし、「減る」ことはあっても「滅ぶ」ことはまだ大分先のことでは無いか、と思ってしまう「部屋の物の総量を減らしたいと願う自分の紙の本の買いっぷり」を少し振り返る様なまとめ、でありました。

ではでは、皆さまも素敵なブックライフ・まんがライフ(「まんが」に「ライフ」って付けたら急に雑誌みたいになっちゃったな)、アーンドよいお年を。

2 件のコメント:

  1. おじオジオ2020年1月5日 21:33

    初めてコメントさせていただきます。
    muneyukiさんの2019年ランキング非常に参考になります。特に1位の『有害無罪玩具』は気になって購入しました。他にも本ブログで紹介されている気になった漫画読んでみようと思います。
    今後も更新を気長に楽しみにしております。

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    1. アア…誘導するような真似をしておきながら、全く更新・返信せず放置してしまって申し訳無いです…。公私共々(と言うのも変な感じですが)お世話になります。今後ともよろしくお願いします! 

      >有害無罪玩具 おお、ご購入まで漕ぎ着けて頂けること、非常に嬉しく思います。いやぁ、最高でしたよコイツァ!

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