Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年7月21日月曜日

ブーメランパンツ野郎『邪図』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

デビュー単行本『群馬アイドル神話 馬セブン』という一応ギャグ漫画…の体裁を取りながらも個人的には全く意味が分からなかった作家の、第二連載が本作。一作目・その絵で大分興味が薄れていたものの、読んでみたら、何というホラーセンス…!度肝を抜かれました。

中にはギャグっぽい結末を迎える作品もあるものの全編がシュールと不穏に塗れており、個人的には不幸が金になる男・オレオレ詐欺で乗り込んだ家のお婆さんがヤバかった・感情が見える能力が先鋭化していって却って肉体が観測出来なくなっていく女の子・男嫌いの女性が配送間違いで送られて来た謎の男性器を装備してしまって男性化していく、の話、それぞれブチ切れていて素晴らしく思います。

何よりその「絵」。

美麗さというか、一定以上の「プロっぽい絵」という技術的な選別が行われそうなジャンプ周縁・集英社において、何故この作家がプロデビューしたのかがまずよく分からない絵・絵柄ではあるのですが、そうした「プロっぽく無い絵」で描かれる作品内の狂気の迫力ったら。

2019年に本作の単行本が刊行されたのち、2025年以後作家としての活動履歴がネット上に無いブーメランパンツ野郎先生ですが、今現在日本は磨り減っている…もといホラーブームゆえ、ジャンプラとか集英社とかが乗っかって、読み切り描け!圧力なぞ掛けてくれんものかなぁ、と細々期待。


 

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