Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2020年3月3日火曜日

さがみゆき『ほくそ笑む少女』

さがみゆき『ほくそ笑む少女』
怖さ:☆☆
造型:☆
状況:☆☆☆



千賀子は空想好きの女の子。映画や小説から得たアイデアを独自の空想で発展させ、趣味の漫画に落とし込む。しかし、「空想し過ぎること」がある事件を招いた…。
前書きに「少女の運命」は全て書いてあるのですが、少女のどの様にグロテスクな発想が事態を引き起こすか、という過程が肝要な物語のため、序文はネタバレとして機能せず、どころか効果的な演出となっています。
本作はのちのひばり書房単行本の様な、魔女とか幽霊といった怪奇存在が登場は登場しません。スプラッタ描写も薄く、「ホラー漫画」としてはちょっと薄い作品、ではあります。けれども、「怪奇存在を(ノルマ的に)登場させなくてはならない」ひばりコミックス・ひばりヒットコミックスに無い、さが先生が物語のみで怪奇を語ろうとする感覚、があるように思える作品です。


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