Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年8月17日月曜日

河部真道『鬼ゴロシ』

 

怖さ:☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

新条市内でも荒くれ者として有名な坂田周平は、荒くれっぷりから半グレ集団に目を付けられ、妻と幼い娘を殺された上に自身も半死半生の負傷を負わされ昏睡状態に。そして十五年後、坂田は仇の一人と再会した事で覚醒、破壊・暴力の化身と化す…。

半グレだと思ってた集団は市の政治経済に深く根を張る巨悪だったし、その集団を倒せば終わりかと思ってたらその集団は市に強い影響力を持つコングロマリットと対立しててそいつら含め坂田も三つ巴の構造に巻き込まれるし、「復讐暴力漫画」かと思ってたら第三者視点・市の歴史を組み込む事で「(一種超常現象/存在・異常構造を含んだ)鬼を描く漫画」になっていくし…で、陰惨な開幕からは予想出来ぬほどの、あっけらかんとした暴力描写・際限無く広がる要素の繋ぎ合わせと収束の見事さで、めちゃ面白漫画でした。

一応リアル系の暴力バトル漫画の筈なのに、人間の脊髄を引っこ抜いて武器にしたり、薬物で正気を失った人間が人外の力で襲い掛かって来たり、パワードスーツを装着して人間の群れをバッタバッタとなぎ倒したりすな。

登場人物達の鬼の様な振る舞いが、鬼とは・引いては人とは何か、という問い掛けに繋がり、その問いに対して最終盤で出て来る答えの見事さ・明瞭さ。

まさかこの内容で感動してしまうなんて…。



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