白川まり奈『怪奇！！猫屍鬼の街』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です！
 

妖怪研究家にして怪奇漫画家・白川まり奈先生が、3作発表したひばり書房ヒットコミックスの内のひとつ。

絵としての迫力だったり、素材の伝承・妖怪研究的な要素は、Akebono作品等より薄れており、何なら怪奇漫画としての力強さは減退している…様にも見えるのですが、「児童向けに描いている」のに表紙から脳が出てたりもしてて「ヤケに残虐な描写」というチグハグさが、却って怪奇漫画からホラー漫画へ変じている感覚もあって、本作を含めた3作もまた、白川まり奈という作家の魅力の別側面が味わえるものと思います。

…作中で日本古来から猫屍鬼という怖い妖怪の話が伝わってる、という話が出て来ますが、聞いたことないよ！！

「猫屍鬼」と書いて「ニャンシー」、このキャッチーなタイトル(にも関わらず容赦無い残虐描写)がまた、「キノコンガ」「血どくろマザー」以上に、世人の心を掴んで離さない…というのもあるんでないでしょうか。

化け猫・猫好き老人の怨念・ゾンビ的なものが掛け合わさる、驚異の怪異譚。