Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2020年2月25日火曜日

蕪木彩子『虫に願いを』


蕪木彩子『虫に願いを』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆


☆満点作品です!

「連作ホラー漫画」という形式は難しい。インフレ、アイデアの類似、レギュラーメンバーは安全圏故のマンネリ等々…。

蕪木先生の『ストレス』は、主人公のキャラの強さ頼りになってしまった所があり、連作としては成功と言い難い作品だったのですが、
本作「虫屋シリーズ」、ホラーMでは中々長めの連載となった作品で、
「虫の造形・生態の気持ち悪さ」「創作昆虫の突拍子の無さ」「人間の欲望の汚さ」という、ホラー漫画的案件をしっかり満たして、かつバラエティに富んだ作品、ホラー漫画として成功した作品でないかと思います。(これ書いてる時点で以降の単行本を読めてないのですが…)

初っ端の「願い虫」から、「願いは叶えてくれるけど願った人間の思い通りではない叶い方」はホラー漫画類型に見られるパターンですが、方法が「願いを唱えて虫の背中に生えた卵を食う(苦い)」とか、不気味過ぎるでしょ…。
狂言回したる「虫屋の主人」もイイ意味でキャラが薄く、見事にそれぞれのキャラクターと蕪木彩子のスプラッタ具合とが噛み合った、良ホラー漫画だと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿