Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2017年9月29日金曜日

梅野花『夕闇少年』

 梅野花『夕闇少年』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆

平成、テン年代の少女ホラーにおける俊英、梅野花先生の最新作。
…とは言っても、2014年の単行本。おそらくここからもう描かれてない、のかなあ、惜しい…。

黄昏堂店主・椿の下に、願い・欲望を持って現れる少女たち。
椿は必ずその願いが叶う不思議なアイテムを渡してくれるが、少女たちは、美しくなりたい・好きな人を思い通りにしたい、という自分の欲望を暴走させて、目も当てられない方向へ走り出していく…。

「望みを叶えるマジックアイテム、ただし副作用で酷い目に会う」という、ホラーでは定型のひとつの設定が、惜しいかな、作者の持ち味である「少女ホラーとしては過剰なほどの、読者を裏切るオチ」に繋がりにくくしてしまっているのですが、
それでも、なんで女子中学生・女子高生がここまで…と読者をドン引かせるような、欲望の暴走っぷりは、正にホラー漫画ファンの期待する「ショック表現」「予想を裏切る恐怖・狂気」ではないかと思います。
『ハサミ女』で、もっと梅野花成分を…と欲するホラー中毒者になってしまった方には、多少中毒症状を軽減してくれるだけの「麻薬感」、あるはず。


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