Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2013年2月22日金曜日

裏の学園生活と、裏の裏の学園生活『ハイスコアガール』と『いきいきごんぼ』


「僕には、まだ見えているッ…!」(エロ妄想が)


----------------------------------------
週刊少年チャンピオンで連載されてる『いきいきごんぼ』が、
色んな方面に愛が溢れていたのでご紹介します。

主人公は三人。
枝野(テクノ)…アクティブに消極派。割とイケメン。
枷井法経(カセイノリツネ)…ひとつ上の男。外見デザインがどう見ても、名前の音読み。
吏毘堂猛(リビドウタケル)…自称おっぱいソムリエ。リビドーが溢れてるのに、女子と絡む機会には石化してしまう。

この三人組が織り成す、何とも冴えない学園生活を描いたギャグ漫画。
この漫画、この「何とも冴えない」感が、非常に生々しくて、何とも冴えない学生生活を送った人・送っている人には、単なるギャグ漫画で済まされない所がミソなんです。

・仲間内で盛り上がっていたネタを、他のグループの人の笑いの種にされる。

・中々絡みの無い女子に対して、面白いことを言おうとして緊張してワケの分からないことを口走ってしまう。

・「仲間」だと思っていた友人達が、知らぬ間に女子と何か仲良くなってる。

・頑張って「カフェデビュー」してみるも、あまりに自分が店の雰囲気にそぐわない。

・ガマンし過ぎた「便」をバーストさせてしまう。

いや、ここに紹介したコマの全てが、決して俺が実体験があるとかではなくてですね、このなんつーか皮膚感覚っつーんですか?なんとも言えないね、この、あああああ痒い痒い!!体が!!俺の体がうずく!!ああああ蘇る闇の中学生時代!!蘇る黄昏の高校生時代!!痒いよ体がうずくよおおおおおおうあおああおs

…といった、三人組の冴えない日常生活をギャグ調に描いた作品なんですが、
テクノくんはそこそこイケメンで、あまり下ネタ下ネタしてなくて、
カセイくんはひっどいデザインのキャラだけども、男女共にそのハイテンションな下ネタをぶつけに行ける面白キャラで、
でもリビドーくんに至っては、その二人にしかガシガシぶつかって行けない感が非常に滲み出ていて、上記二人の未来はそんなに暗く無いことが予想されるのですが、とにかくリビドーくんの行く先に暗雲が立ちこめている感じが、何とも「灰色」な漫画なのです。

同誌掲載の『空が灰色だから』の女の子達は、確かに見ていると「心がザワザワする」んですが、あくまでそれは一時のもの。将来はそんな悪くないんじゃないかなー、って思うんですが、リビドーくんには全く「灰色の未来」しか見えない。
「轟け!!スクールカースト最底辺!!奏でよ!!青春のトラウマパンク!!」なんてキャッチコピーが裏表紙に書かれてるんですが、シャレにならんよホント!!


押切蓮介『ハイスコアガール』の主人公・ハルオは、勉強も運動も出来ず、部活なんかの活動も行っておらず、何だかクラスの女子からは相手にされず。
青春の全てをゲームに打ち込む様は、暗い学校生活に少し見えます。

けれども彼にはゲームがある
ゲームにかける熱意から垣間見える人間性は、彼の友人をして
「ハルオは女子に好かれるタイプじゃないって皆には思われてるけど…俺には分かるんだな あいつはバカだけど本当は優しくてあっっったかい奴なんだよ 俺が女だったら抱かれてもイイと思ったな」
と言わせるほど。

ゲームしか無い筈のハルオは、こうした評価をしてくれる友人が居り、ちょっと自分を気にしてくれる女の子が二人も居て。
決して「学校」という社会形態の中では評価されない、
でも「学校という社会形態」が人生の全てではないことを教えてくれるのが『ハイスコアガール』の面白さだと思います。陽の当たる学園生活だけが、学園生活じゃないよ、と。

人に誇れる様なモノを何にも持ってなくても、評価してくれる人は必ず何処かに居る。
中高生時分の俺は、ピロウズのハイブリッドレインボウを聴いてそんなことを思っていましたよ、ええ。



思ってたんですが、久々に『いきいきごんぼ』のせいで思い出しました。「『選ばれなかった僕ら』でも明日を持ってるけど、『本当に選ばれなかった僕ら』も何処かに居る」ということに。

「ヒーローになれない」人達は幾らでも居るけども、人生は勿論「ヒーローになるか否か」の二択ではありません。その「否」側で、更に三つくらいに分岐して行って、「最底辺」なるものが生まれます。
いきいきごんぼの登場人物達が中学生ってことで、「最底辺」だった中学生たちはどんなオトナになるんだろうか、とか、ニュースで見たゆうちゃんとか想起させられて、
ギャグ漫画なのにちょっと暗いきぶんになりましたよ…

それから、初連載漫画家さんなのに絵が上手い!
絵が上手いから、パロディネタが非常に笑えます。

板垣オマージュ。

和久先生。

小豆はかりと山田くん。


東京喰種かバーサスアース?

おい!!正義隊じゃないか!!四大少年誌に正義隊が!!!


と、あと作者の投稿デビュー作のタイトルが、危うくて読んでみたいです。

是非是非、裏の学園生活である『ハイスコアガール』と、更にその裏の学園生活『いきいきごんぼ』は併読して頂きたい!


元気の無い時は『正義隊』を読むに限ります。

➼決して消えない光がある『正義隊 4』

『いきいきごんぼ』➡『ろりともだち』➡『あぜ道のダンディ』って成長過程辿りそう。
➼飛べ!雌豚!『あぜ道のダンディ』












0 件のコメント:

コメントを投稿