Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2011年12月20日火曜日

「部屋が作品になる」ということ 『HENRY DARGER’S ROOM 851 WEBSTER』

ヘンリー・ダーガーという作家・画家が居ました。
厳密には作家でも画家でも無い彼は何故「ヘンリー・ダーガー」として名前が残っているのか。

2011年12月13日火曜日

恐怖と狂気とギャグの狭間で『怪奇カンヅメ』

富樫先生の元ネタ、との声もある伊藤潤二さんについて。確かに顔の描き方なんかパクリと言っても良いほど

作風では、ホラーと言うよりも駕籠真太郎さんのような「奇想」と呼ぶに相応しい作家さんかと思います。
ただ、駕籠さんは明確に奇想ギャグを志向しているのに対して、伊藤さんのはもう怖いんだか笑って良いんだか、反応に困るような所があります。それだけ、異様な状況とそれを視覚化した絵で作品が構成されているのが伊藤潤二作品

本単行本『怪奇カンヅメ』においても、見た人が「何ぞコレぇェェ」と反応してしまう様な、奇怪な絵が幾つかありましたので、ご紹介いたします。・・・また表紙が良いなぁ・・・。


2011年12月7日水曜日

「共感」という力の源について、フーゴは何に勝ったのか『恥知らずのパープルヘイズ-ジョジョの奇妙な冒険より-』



西尾維新による『OVER HEVEN』が発売される前に、
上遠野浩平によるジョジョノベライズ『恥知らずのパープルヘイズ』について思った事など。

2011年12月4日日曜日

○民でフェスなんて狂ってる『100000t大忘年会 ~タミロック2011~』

100000t(ジュウマントン)って古レコード・CD・本屋さんの企画で、某居酒屋チェーン店内で「フェス」が行われます。
ブログの方では追加されてませんが、僕も『Books Subbacultcha』として、古本やらCDやらを売りつけに行こうと思います。「いや、五時まではちょっと…」って方、ご安心ください、いつ来ても良いし、いつ帰っても良いです。いつ来ても大体何かしらやってて、何かしら楽しめます。曖昧です。だが、それが良いのです。
思いっきりアウェーで心細いので、誰か付いて来てくれたら嬉しい!

100000t大忘年会 ~タミロック2011~

12月8日(木) 22:00~翌5:00

@居酒屋「和民」河原町店 (河原町蛸薬師東側ビル6F)

入場料 1500円 (2ドリンク&えだまめ・えびチップスほかエンドレス軽食付き)


ライブ : 

Drakskip
frosch
久保田健司 (震える舌)
浜谷俊輔
龍泪
原清華
久野昆布 (アレクサンダース)
odd eyes
goro's session
モガブティック◆スパンコール
畑庫治

DJ : 

大石勇介
大西将浩
dj colaboy
松本伸哉
野田晋平
DJエスレコ
井上和洋

出店 : 

むんと食堂
カレー屋台村 山ねこ
ただ、ここ
おでんどんづまり
鉄球
100000t
伊東ちひろ
ナンバーエイト
cartoon
古本・在野

落語 : 悶亭乳尊

詩の展示:ジョージマリエ

手相見 : 原清華

人生相談 : 鴨川相談所

茶番劇 (予定) : ナワシロケンシ

MC : 藤沢ゆきまさ

2011年12月2日金曜日

音楽もアニメーションも最高な『俺的気持ちイイオープニング集10選』

色んな作業が捗らない、何だかクサクサしてる、逃げたい。
そんな諸症状を抱えたあなたへ、アニメのオープニングを見てみる事をお勧めします。
はい、単に俺が、俺の為にまとめる、俺専用記事です。

何と言っても「オープニング」とはその作品の看板。
それを見て、本編を見るかどうか決めちゃう人も多い訳です。

ので、アニメーションしまくる!音楽がともかくカッコいい!ほんでそのシンクロっぷりが堪らん!
という素晴らしさが為に、
個人的に「気持ちイイ!」という気分になれる、アニメのオープニングをご紹介。

2011年11月24日木曜日

非日常との同居『石巻市をぶらぶらと歩いてみた』

凄く時間が在る、という訳ではないのですが、断然社会人よりは時間のある学生の身なので、ひとまず「東日本大震災」というのがどういうものだったのかを見に行く為、西日本在住の人間が宮城県・石巻市を訪れてみました。

2011年11月16日水曜日

憧れのヒトハコ『天神さんで一箱古本市』


天神さんで一箱古本市

20011年11月26日(土)11:00~16:00 
     (受付10:00~)
雨天の場合27日(日)に順延
京都・長岡天満宮境内・花子前広場


何やら東京の方ではよく行われている、「一箱古本市」というイベント。
関西圏でやっててもつい機会を逃してしまって、
お客さんとして行った事も無かったのですが、この度、榊翠簾堂さんの企画に運良くぶち当たる事が出来、初参加・初出店の流れとなりました。

「販売イベント」というよりは、「本好きな人が好きな本持って集まって、運が良ければ売れる!」というどちらかと言えば交流会的なイベントっぽいですね。

まだ店主やら助っ人やらを募集されてるみたいなので、お時間お暇のある方、是非とも共に店主・お客として参加しようぢゃあないですか。

継承すること『HUNTER×HUNTER 29』

今更ながら、ハンターハンター、ゴンさん登場巻を友人に貸してもらってすっごい面白かったので、ちょっと思ったことをつらつらと。
本誌は未読で、極力情報を得る事を避けているので、あくまで貸してもらった25~29巻の感想です。

ターセムに「300」作らせてんじゃねええええ『インモータルズ-神々の戦い-』

ターセム監督は、本当に美しい絵を描くのが上手いなぁ、と観る度に感動するような監督です。
しかも、その美しい絵が、動くんです。
僕がアニメや映画に求める快感は「コレ」なんです。

『ザ・セル』も『ザ・フォール-落下の王国-』も好き過ぎて、
そのターセム監督がギリシャ神話描くとか、これはもう面白くならざるを得んだろ、と公開4日目という自分にしては結構早い段階で、ものっそいワクワクしながら3D版を観に、レイトショーへ向かいました。

2011年11月1日火曜日

孤独の美学『アウトサイダー・アート 芸術のはじまる場所』


アーティストであり、アートセラピストであり、大学講師であるデイヴィド・マクラガンによる、アウトサイダー・アートの論考。

結構固めの本でしたが、「現在のアウトサイダー・アート」を語る上では、日本語文献において、例えばパラレル・ヴィジョン展の図録、服部正さんの新書、斎藤環さんの『戦闘美少女の精神分析』等よりも必要な本だと感じました。
この本において、最も進んだ議論が為されている為です。

ちょっと読み下していこうかなと思います。
以下、「本書」の表現は『アウトサイダー・アート 芸術のはじまる場所』を指す。

<本記事を読み下す上で役立つかもしれない記事へのリンク集>
➼語らってみた『アウトサイダー・アート談議 with air_sonshiさん』
➼個人的な「アール・ブリュット」と「エイブル・アート」の違いまとめ
「アウトサイダー・アート」への興味を深めた本。
➼『戦闘少女の精神分析』要旨「ファリックガールズが生成する」個人的まとめ
その著者の講演をまとめたもの。
➼芸術の内側と外側『アール・ブリュットをめぐるトークシリーズVol.1:アール・ブリュット作家の共通性と個別性 斎藤環』
原宿で行われたダーガー展。
➼僕と共犯者に成りませんか?『ラフォーレ原宿:ヘンリー・ダーガー展』

2011年10月11日火曜日

初めて出店します『妖怪アートフリマ モノノケ市 -10月』


この一条商店街、丁度私が大学へ通い始める頃から「百鬼夜行プッシュしていこうぜ!」というスタンスの下、地元の美大性と商店街が協力して、ガツガツと妖怪じみたイベントを打ち出し始めていました。
何かしらで参加出来たら良いなぁー、等と横から見ていると、何このイベント面白そうじゃない!とフリマの募集を見つけ、応募、此の度出店する事と相成りました。


会場:大将軍商店街
住所:京都府京都市上京区一条通御前通西入2丁目大上之町75
開催日時:2011年10月15日(土)PM16:00~PM21:00
主催者:大将軍商店街 百鬼事業部
問い合わせ:kyotohyakki@gmail.com
HP:大将軍商店街 妖怪ストリート

ヤッベェー 周りの人、結構ガチで妖怪絵とか描いてる人ばっかりだよー、コレ滅茶苦茶浮くよー、絶対。怖い怖い。
"Books Subbacultcha"という名前で古本売らせて頂きます。
夕方から夜までガッツリやっておりますので、帰宅途中にちょっと寄ったりしてみて下されば、大変嬉しいよね!

2011年10月5日水曜日

決して消えない光がある『正義隊 4』

さぶいさぶい!!
何だか9月はアワアワしてるだけで過ぎてしまった感が拭えぬ。


「正義」って言葉はホント危ない。
俺ぁ、正義なんて語るやつなんざぁ、信用出来ねぇな。

そんな事を大っぴらに語るひねくれ者でも、
正義隊の語る正義にはきっと煌めく温かな光を感じる筈です。

2011年9月19日月曜日

ザ・インタビューズ、次の相手はどいつだ!



巷で流行りの「インタビューズ」なるものに登録してみましたが、
一向に質問が飛んで来ず、淋しい熱帯魚です。
さぁ来い!
http://theinterviews.jp/munnesu/interview

2011年9月18日日曜日

2011年9月11日日曜日

テイルズ・オブ・画太郎・ファンタジア『ミトコン 1』


あの漫☆画太郎先生がファンタジー…だと…!?

ハイハイ、どうせ表紙だけ可愛い感じを醸し出しといて、
中身はエッグい内臓やら血やらババアやらが飛び出す画太郎ギャグマンガなんでしょ、
という思い込みの下、ページをめくると、
その幻想をぶち殺されました。

2011年9月6日火曜日

語らってみた『アウトサイダー・アート談議 with air_sonshiさん』

twitter上で盛り上がってしまったので、
スカイプで語ろうぜ!という事でスカイプをし始めたものの、
iPhoneでスカイプするともう、ブチブチ切れる切れる…

のでスカイプのチャット機能で会話させて頂いて、
ほんでそのログをブログ上でまとめる事にしました。

酢めしさん(ブログ『紙媒体渇望して』:http://d.hatena.ne.jp/sumeshi30/)をパクッ…オマージュ&リスペクトした結果、ほぼ同じデザインとなりましたが、ご容赦のほどを。

近年隆盛し始めた「アウトサイダー・アート」とは何か?
本当は挨拶程度のつもりだったのですが、
現状、そして未来、二人の興味の方向等、非常に有意義な談議が出来たように思います。
勉強になりました。

アールブリュット、アウトサイダーアートが何なのかさっぱり分からん、て方は
こちらの記事をお読み下されば幸いです。
➼個人的な「アール・ブリュット」と「エイブル・アート」の違いまとめ

2011年9月3日土曜日

「悪者」について思う所 『悪虐』、『悪人』、『ザ・ワールド・イズ・マイン』から

新堂冬樹の新作『悪虐』では、タイトル通り「悪」がテーマとなっているのですが、
どうにも何か迫力を感じませんでした。

僕にとってインパクトのある「悪」「殺し」の描写のあった、
映画『悪人』と、漫画『ザ・ワールド・イズ・マイン』との比較から、
その原因を考えてみたいと思います。

2011年8月23日火曜日

邪教のお祭り『刑務所の中』のムショスイーツを100円ローソンで再現する

セブンイレブンにて、「あんこ&マーガリン」という
餡子とマーガリンの挟んだコッペパンが販売されている。
これが、これが、もう、コンビニの菓子パンの癖に、ひっじょーに美味いのだ。
牛乳のアテとしては最高なのだ。

花輪和一『刑務所の中』で紹介されるムショスイーツは、
このセブンイレブンで売られている120円程の菓子パンに酷似したメニュー。
著者がムショ暮らしをした際の、生活振りが克明に描かれる本作においても、
特にこのムショスイーツの描写は丹念に描かれている。

昨日、ポッと思い出して、
よし!セブンイレブンであんこ&マーガリン買ってこよ!
と行ってみた所、
全て売り切れて、後に残るのは「いちご&マーガリン」の群れ。
いや、これも美味いのよ。美味いのだけど、違うのだ!
今、俺が食べたい奴じゃない!

けど100円ローソンに寄ったら、大体再現出来る具合に材料が集まったので、
もし食べたいなぁ、って思った方は300円程出して幸せになりましょう。

2011年8月22日月曜日

『漫画ナツ100 2011年版』に参加してみた


こちらの『よなかのとり』さんで【漫画は】漫画ナツ100【世界を救う】なんて素敵に狂った企画が企画されていたので、よし、「やぁってやるぜぇっ!」とばかりにちょっと僕も列記していってみよう。

画像は白川郷です。何か夏っぽい写真撮ってなかったかな、と探したら丁度良くこんな写真が。
いや、聖地巡礼とかじゃなくてですね、
僕は純粋に「世界遺産」という人類の至宝を観に行っただk

2011年8月14日日曜日

狂気と恐怖の喫茶店『伴天連』に行って来た


東広島駅からちょっと南下した所にある、噂のホラー喫茶『伴天連』に行って来ました。

2011年8月13日土曜日

飛べ!雌豚!『あぜ道のダンディ』


広島の、全国的に有名(?)な
インディペンデント・ミニシアター・サブカルチュアシアター【横川シネマ】。
元々この横川という地区は、まぁちょっといかがわしい感じの街で、
そこにある映画館もちょっといかがわしい感じの映画館だったのですが、
そこに飛び込んだ横川シネマ。

余談ですが、横川駅北口のすぐ前に在るお好み焼き屋『みっちゃん』はサイッコ―なので、チェキです。

今、↑に掲げたような雰囲気を醸し出しつつ、
映画だけでなくトークショーやらライブやらも開催しており、
もうこれは行くしかねぇだろ!!と思って何の目的も無く行ったら、全く知らん映画ばかりやっており、
まぁとりあえず入ってみよか、と入った所、ほんともう、シアター一つとチケット売り場しかないインディペンデントっぷりで、夏休みだというのに、お客さんは四人位。

いっやぁー、この映画も、なんかよく分からんちょっとサブカルっぽい雰囲気を醸し出しつつ、そんな面白くない中途半端なギャグノリで身内にはバカ受け、みたいなミニシアター系なんじゃないか?という、じゃあ何でお前ら入ったの、ってレベルの心配をしながら入場した所、泣く程面白い映画でした。
大当たり。

2011年8月9日火曜日

作者VS作中人物『ロコス亭 奇人たちの情景』


極度に完成された物語は、現実と見分けが付かない。
そういう言い方も出来ると思います。

けれども、「未完成」だからこそ、現実と見分けが付かない物語が存在すると僕は思うのです。

2011年8月8日月曜日

日本で完成するチェコのシュルレアリズム『「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 the works for Japan」:京都文化博物館』


最近、無茶苦茶なコラージュの手法で問題になった「カオス*ラウンジ」という団体がありましたが、
コラージュという技法そのものは非常に面白いものです。

MADアニメしかり、サンプリングしかり。
ただ其れによって、他人が必死で作り上げたもの勝手にバラバラにして、
再構成して、其れを「作品」として主張してその売り上げで飯を喰う。
となると芸術や思想がどうこうという話では無くなって来るように思います。

まぁ別段その問題を意識して観に行った訳じゃないんですが、
既存のイメージをコラージュする事で悪夢的な世界を創り上げる、
チェコのシュルレアリズム作家、シュヴァンクマイエル(夫妻)の京都展覧会に行って参りました。

2011年8月4日木曜日

探偵・陰溝蠅兒の奇妙な冒険『夢幻城殺人事件』

怪奇を語るのは楽しい。

其れは日頃見えている現実の裏側を覗くような、覗き趣味的な、
もしくは一種闘争本能的な血を求める感じというか、
忌避しているからこそ死っぽいものに憧れるというか。

オカルト趣味って実は底抜けに「楽しさ」を求める行為でもあって、
結構明るい趣味だと思うんですよね。変な話ですけど。

この『夢幻城殺人事件』には、そうした楽しいオカルトが溢れ返っています。

2011年8月2日火曜日

言わない事、言えない事『ふたりの証拠』



2011年7月27日、日にちは微妙に違いますが、レイハラカミ、小松左京の訃報と共に彼女が亡くなった事を知りました。
人はいつか死ぬという事が頭では分かってはいるのですが、
何とも言えぬポッカリ感というか、無くした感覚は、
近い人だろうが遠い人だろうが「知っている」というだけで感じてしまいます。

そういえば買ったのに読んでなかったな、と思って、
彼女の著作『ふたりの証拠』を読み始めました。

2011年7月26日火曜日

藤田和日郎の描きたかったドラマはココに在る『月光条例 14』



僕は藤田和日郎さんの漫画が大好きで、
『うしおととら』『からくりサーカス』『黒博物館スプリンガルド』『邪眼は月輪に飛ぶ』その他短編集等等…
全て名作だと思うのです。

其れは全ての作品に熱い思いがあって、信念があって。
単純なエンターテイメントとして続きが読みたい、と思わせる以上に、込められたメッセージが読者に生きる力を与えてくれる作品だと思えるからです。

無論『月光条例』も藤田和日郎作品として、立派に「名作」だと思うのですが、
どうもうしとら、からくりほどの評価は得てない。
いや、僕自身、うーんこれちょっと微妙だなー、と思ってました。
思ってました


2011年7月20日水曜日

現代における罪と罰『ろりともだち』

伊藤計劃さんの『虐殺器官』を読みました。
なるほど、帯に書かれている「現代における罪と罰」というコピーの逸品具合が分かりました。

でも少しだけ屁理屈をこねさせてもらうと、
虐殺器官は現代の延長に在る近未来の物語であって、それは物凄い情報量と創造力によって練られた「本当の延長上」のようなリアリティを持っているのだけれど、僕の様な狭い世界・価値観で生きている人間にとってはやはり「近未来の物語」という実感が残ったのです。

ひょっとしたら、今から挙げる作品に「現代の罪と罰」なんて二つ名を付けるのは凄く罰当たりなのかもしれない。
でも、僕にとっては『罪と罰』、もしくは『虐殺器官』のような、いや、それ以上に強烈な問題意識を抱えた立派な「現代の文学」に思えたのです。

※ネタバレあり
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2011年7月12日火曜日

語らってみた『"しゃべろぐ"第2回!お題は「シュタインズ・ゲート」!』



酢めしさんのブログ、「紙媒体渇望して」(http://d.hatena.ne.jp/sumeshi30/)上企画にて
ゲーム、アニメ、漫画、ノベライズと幅広くメディアミックスされている作品、「シュタインズゲート」について
だらだらと色々述べさせて頂きました。

いやぁ、面白かった!
目的を持って人と話す、ってのはいいものですね。
本来雑誌がやってるような事をどんどんアマチュアがやってく、
実に「これからの時代」っぽい、良い企画だなぁと思います。

僕はアニメしか見てないにわかファンでしたが、
楽しく話せたのでヨシとしておきます。

酢めしさんが丁寧にまとめられているので、是非ご覧になってみて下さい。

前篇、SFやらなんやらの周辺状況から。
➼対談形式のブログ、"しゃべろぐ"第2回!お題は「シュタインズ・ゲート」!(前編)

後篇、厨二病やキャラ萌えのお話など。
➼対談形式のブログ、"しゃべろぐ"第2回!お題は「シュタインズ・ゲート」!(後編)

これからもうちょっとゲームについても語る記事を増やしていきたいなぁ。
➸男の子の冒険、女の子のゴール『MOTHER -The Original Story- 』

2011年7月11日月曜日

芸術の内側と外側『アール・ブリュットをめぐるトークシリーズVol.1:アール・ブリュット作家の共通性と個別性 斎藤環』



先日、「芸術の内側と外側」という論題で、
インサイダー・アート、いわゆるこれまで一般的に「芸術」とされてきたものと、
その価値観とは違う価値観で存在するアート、アウトサイダー・アート、
そして芸術でないモノ、とは何によって分けられるのか?という定義に関しての発表を行いました。

しかし、一応の定義はあるものの、決め手というのが結局「見る人次第」という曖昧な結論に至り、
オーディエンスからもツッコミを受け、
ぐぬぬ… となってしまったのです。

今回、斎藤先生の講演があるということで、滋賀へと足を運んでみました。
何かヒントになるんじゃないかなぁ、と思って。

写真は会場の近江兄弟学園。

2011年6月26日日曜日

死を思え、恐怖を思え『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』

『ジョジョ』で有名な荒木飛呂彦が、自身の好きなホラー映画について語りまくる本です。
僕も以前ビデオ屋で働いていたのでそこそこ映画は見てたつもりでしたが、
まだまだこんなに必見のホラー映画があるなんて、と絶句。

2011年6月25日土曜日

社会的弱者に対しての倫理観『天国に結ぶ戀(一)』と『銀齢の果て』

僕の異形に対する興味は、自分でもどんなものなのかはっきりと掴みかねています。
社会的弱者に対する憐憫なのか、
自分との「違い」に対する憧憬なのか。

いわゆる「ノーマル」とは何かが違う人達。
ノーマルという多数に対する少数者。

数の暴力によって、または単純な身体的弱さによって、少数者達は社会という世界の中で「弱い者」として、あるいは責められ、あるいは保護され、あるいは憐れまれ、生きてきました。
そこに在る物語は切ないものであったり、怖いものであったり。
でもそれは僕が「多数者である」という横暴さの上に成り立つ感情なのでしょうか。

よく分からないから知りたい、という好奇心も其処には絶対に在るのです。

2011年6月19日日曜日

男の子の冒険、女の子のゴール『MOTHER -The Original Story- 』

MOTHERってゲームがありました。
糸井重里の原案によるゲームで、
『エンディングまで、泣くんじゃない。』
『大人も、子どもも、おねーさんも。』
というキャッチコピーで話題になったゲームです。

ノベライズをされているのですが、それほど重版されておらず、びっみょーにプレミアが付いてしまっているのが現状で、
コスト的にゲーム未プレイ者が買うほどの小説では無い、って事だけ先に言っておきます。

小説版の中身には糸井さんはタッチしておらず、1・2どちらのノベライズも久美沙織さんという作家さんが書かれています。
この人、ハーレクインとかを書いてる人なんだ。
今回ご紹介するのはいわゆるマザー1の方。

では糸井さんのMOTHERと
久美さんのMOTHER。
小説版未読の方にネタばれにならぬよう、比較していこうかと思います。

2011年6月17日金曜日

女を追う男、性が呼び起こす恐怖『グッバイ艶』と『密会』

たまたま連続で読んだ本のテーマに相似を感じたので、
まとめと感想を二冊まとめて。

2011年6月10日金曜日

明治化物草紙『ラスプーチンが来た』



人間は何故か「自分のよく知ってる事」を他人と共有出来ると快感、という知識共有欲求みたいなものがあって、
例えば嫌な上司の細かい動作について皆で愚痴ったり、
地元がテレビで映し出されたのを見てテンションが上がったり、
細か過ぎて伝わらないモノマネを見て爆笑したり。

「知ってる事」が出て来ると、何だか嬉しくなってしまう、そんな性質があります。
何なんでしょうね、アレは。

2011年6月7日火曜日

愛とはべったりひっつけばイイってもんじゃない。『たかがバロウズ本。』

クローネンバーグの『裸のランチ』見て、
興味が湧いてウィキった程度の、
にわかですらないバロウズ受容者の俺が読んだよ!

2011年6月4日土曜日

俺も行きたいです『岸部露伴 ルーヴルへ行く』



読みたいなぁ、でもちょっと高いんだよなぁ、等と軟弱な事をぼとぼと漏らしておると、
ジョジョと聞けば
「『欲しい』…そんな言葉は必要ねーんだ。何故なら欲しいモノを頭に思い浮かべた時には!
実際に買っちまってもうすでに買い終わってるからだ!だから欲しいと思った事がねェーッ!
『買った』なら使ってもイイ!」

とばかりにもう何でもお金を注ぎ込みかねない上級ジョジョラーな友人が貸してくれたので、
僕は感想だけ。

2011年5月30日月曜日

芸術とそうでないモノ『かっこいい自転車』



概念の定義は難しい。

例えば生、例えば死。
愛とか希望とか夢とか絶望とか勇気とか哲学とか読書とか神とか悪魔とかまどかとか
其れそのモノに触れる事が出来なくとも、この世に山ほど存在する「概念」。

様々な時代の、様々な人が色んな定義を残し、色んな本を遺しているというのに、
一向にそれぞれの概念について論じる事が止む気配はありません。

僕が思うに、
全ての概念は結局の所自分で「あっ、なるほど」と納得するまで
論じる当人にとっては定義付けられないものなんじゃないかと。
各々の血肉に、真理になるまで、概念は其処ら辺をフワフワと浮かび続けるのです。

そんな概念の内の一つ、
「芸術」とは何じゃらホイ、とある実例を通して考えてみようかと思います。

2011年5月11日水曜日

僕と共犯者に成りませんか?『ラフォーレ原宿:ヘンリー・ダーガー展』

僕の敬愛する、世界最大の作家・画家の一人、ヘンリー・ダーガー。 彼の作品が来日する機会に、何とか参加出来ました。

2011年5月7日土曜日

現実を揺らす現実感『リアリティー』



ゴールデンウィークという事で、全国各地で様々な催し物があったかと思います。
僕の居る京都でも様々な祭りやら市やらがありました。
で、トリペルというカフェで行われていた古本フェスで、この本を見つけました。

2011年4月24日日曜日

史上最弱が最も恐ろしい『どげせん』

数学といい、算数といい、もう文字を見るだけで手が震えるほど苦手です。
でもその中でも「論理的思考」って結構好きだったりします。
公式とか数字っていうデータが無くとも、必死で考えればきちんと答えが出てくる感じ。


「AならばBである」=「AでないならBでない」


それでは、「史上最強の存在は誰にとっても恐ろしい」の対偶は何でしょうか?

2011年4月9日土曜日

僕らの路地裏戦争『堀川中立売』


京都在住です。

京都の企業の説明会なんかでよく言われる事ですが、
「京都には清水寺や平安神宮なんかの歴史・文化の重みと、任天堂や京セラ、村田製作所等の世界を舞台に活躍する会社が在るという近代性・先進性が同時に存在します。京都とは二重の意味で、世界に注目される面白い土地なのです。」
というような。

昔っからそうなのです。
『源氏物語』に描かれるような煌びやかな宮中での生活と、芥川の『羅生門』に描かれるような腐臭漂う下層の暮らし。
寺社仏閣が至る所に設置されながら、伝統あるキリスト教系の学校がすぐその隣に置かれ。
討幕を狙う志士達のアジトのすぐ近くに新撰組の根城が在り。
雅楽や歌舞伎、文楽が愛される町内に、アヴァンギャルドなアートやロックを好むイベント会場が在り。
そんな「気持ち悪さ」が京都という街なのです。

2011年4月4日月曜日

私達もまた、ねこになるしかないのだ『ねこだらけ』

春らしい雰囲気に街が包まれ出しました。
悲しい事はたくさんあるけども、
楽しい気分になる事は決して悪ではないのです。

2011年3月20日日曜日

笑ってしまいそうな真実『読書について』


最近、本を読む時間が無いなー、なんて思ってます。
就職している人に比べれば圧倒的に時間が有り余っている筈なのですが、
どうにも「やりたい事」と「やるべき事」が合致しにくいスケジュールなんですよね。

全然関係ないですが、『STARDRIVER~輝きのタクト~』はこのやりたい事とやるべき事が重なる事で、無敵のリビドーを得た主人公が、恐ろしいほどご都合主義に敵を倒していく学園ロボットアニメです。素晴らしい爽快感溢れる馬鹿アニメなので、普段心労の多い方にお勧めしたい。

本筋に戻ります。だから速読法を体得しようとしてみたり、先人の読書術を学んでみたり。

ヒトラーをして、「20世紀最大の精神を持つ偉人」と言わしめた、
天才・ショーペンハウエルの読書にまつわる三篇の小品。


怖い音楽『ASA-CHANG&巡礼』


動物は火を恐れるように、人間は闇を恐れます。
でも人間は「知恵」という非常に下らんモノを持っている馬鹿なので、
やめときゃいいのに、怖いのに、何故か覗きたがるのです。

2011年3月18日金曜日

『未確認動物UMA大全』とボルヘスの『幻獣辞典』何が違うのか考えてみた

小さい頃から図鑑を眺めるのが好きでした。
僕の博士遍歴は、魚に始まり、虫、鳥、恐竜、動物、とよく分からない進化を遂げ、何の因果か最終的に妖怪に辿り着いてしまったようです。
何にせよ、昔から人では無いモノ、「違うモノ」を求めていたんじゃないかと思います。

で、今、手元に二冊の分厚い本が在ります。

善き生


地震などで思った事メモ。

結局人間は自分の一番善いと思った事をやったらいいのだ。

2011年3月10日木曜日

遠くへ行けるのは天才だけだ『ソーシャル・ネットワーク』




ようやく見て来ました、フェイスブック創世神話、『ソーシャル・ネットワーク』。
創始者、マーク・ザッカーバーグとフェイスブック、
それを取り巻く二つの訴訟についての物語。

一件は、「ハーバード大ブランドのソーシャルネットワーク作ろうぜ!」という企画を
ザッカーバーグに持ちかけた三人による、
「アイデアを盗まれた」訴訟。
もう一件は共同創業者として彼に資金提供を行い、
最高財務責任者として活躍しようとした親友・エドゥアルドによる
「ザッカーバーグの裏切り」訴訟。

2011年3月5日土曜日

今ならアタシブタと呼ばれてもいいっ『花のズボラ飯』




幸福ってなんなんでしょうね。

「あなたにとって『働く』って何ですか?」と聞かれます。
当然就職して収入を得たい私は「自己実現の手段です」とか言う訳です。

「私は仕事を通して、一個人として認められたいのです。
無論最初の内は大した事は出来ないでしょう。
しかし、ゆくゆくは私が私でなければ出来ない、そういった仕事をしたいのです。
そうして、人から代替不能なモノとして認識してもらえる事を目指すのが
私の自己実現であり、働くということであり、幸せということだと思うのです」

んなわきゃあない。
結局突き詰めれば「飯のタネ」が欲しい訳で、それに付加価値として「自己実現」なんてのを付けたそうとしているだけなのです。
美味しいもんを食べる・リビドーを刺激し、満たす・安全に満足に眠れる。
幾ら人間様が火を怖がらない、道具を使う、芸術品を作る、神に次ぐ、いや神にもまして地球を統べる存在である!といえども、その原動力には必ずこの三つの何かが関わっています。
だからこそ、この根幹に近いテーマの内、「食べる」は活動的かつ老若男女問わず共有出来、イメージしやすいという万国共通のエンターテイメントに成り得るのです。

2011年2月26日土曜日

ずんどこ耽美、ポップに残酷を楽しむ『創世記』



魔法少女まどかマギカというアニメが面白い。
エルフェンリートとかひぐらし、もしくはレ・ミゼラブルとか小公女でも良いんですが、それらが受けたりするのと同じ様な感じで、
一定の層は本当に美少女が好きで、そのキャラクタの可愛さと悲哀を楽しんでるんだと思います。
そうじゃない層は「美少女」というアイコンと残虐趣味のギャップを楽しんでるのではないでしょうか。

どちらにしても皆安全な所から他人の不幸を見てみたい欲求ってのは少なからずあると思います。
だから僕は正義漢ぶったジャーナリズムが嫌いなんですよね。
「不幸」に人間の本質を見るから覗き見たいのだ、とそういえば僕も彼らを信頼するのに。

2011年2月2日水曜日

すべての発情期のサルどもへ『サルハンター』



本屋でちょろっと立ち読みした、『スッパニタータ』という漫画に圧倒されました。
絵は、明らかに女の子とか可愛くないけど、ゴリゴリと音の聞こえて来そうな、重い線でした。
そして、ストーリー。
ギャグと読んでいいのかよく分からない、必死過ぎる主人公と合わない社会環境。
笑いと恐怖は『ズレ』を楽しむものだと思いますが、
これは笑っていいのか?
ひょっとして恐怖すべき所なのか?

2011年2月1日火曜日

無意味を積み重ねた所に現れる美しさ『海炭市叙景』




案外、突き詰めると大抵のものに意味は無くなります。

働く事、人と関わる事、本を読む事、歌を歌う事。
それらはそれそのものには意味がありません。ここで言う意味とは、「生きる上で必要かどうか」という事ですが、それを言ってしまうと意味を持つモノなんてどれ程あるか。
でも人間は貪欲です。ただ生きるだけで満足出来ず、何かに触れて、何かを創りたがります。