Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年5月13日月曜日

成毛厚子『幻影 イリュージョン』

成毛厚子『幻影 イリュージョン』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

成毛先生、初期の短編集。おそらく単行本2冊目。東京三世社からは「怪奇ロマン異色短篇傑作集」なる副題が付けられています。

目次で収録作は10作になっているものの、ショートストーリーの寄り集まったものも多数、冒頭の「黒ねずみたちの行進」なんかはPART3まで分けられています。10ページ前後の短さ・かつ「強烈なオチ」を意識した展開、見開き構成で作られた掌編たちは、「ホラー漫画」として絶品。

挿入されるインタビューで、そうした作品の作りや雰囲気は、サキ・ダール・ラヴクラフト・夢野久作・乱歩・横溝・小栗虫太郎の影響、中でも「オチを意識する」のはサキの影響が強いかも、とのお答え。怪奇ファンとしては思わず嬉しくなってしまう様な並び、納得の作風。


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