三条友美『犬になりたい』

 

怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆ 

商業単行本としては2冊のみ刊行された、三条友美ホラー漫画単行本・最初の方。

ホラーM掲載作品ながら、元々の三条先生の作風からモロの性交部分を撤去させただけ…みたいな悍ましさがあり、オムツ・奇食・人体改造・蟲・メッシー等々、ホラーMとかの成年マーク付いてないところにこんなん載せて良いんですか！？と作家よりは編集者の良識を疑う威力を感じます(…タイトルからもう、そんな感じだもんなぁ…)。

とはいえ、「変な漫画」としての凄まじさはありつつも、もう1冊の『きりきりぎったん』やおおかみ書房作品に比べると、少しヘンタイ寄りな感じ・それで却って「ホラー漫画」としての威力は削られているように思います。必ずしも、コッチに載ってるのが古い作品の方という訳でも無いので、三条先生がホラーM連載作家として慣れていく過程という訳でも無く…。

まぁエグみ・汚さはあれど、三条友美ホラー漫画短編集4冊のうち、どれかを読んで面白く感じたのであれば、いずれの作品集も面白く感じられるものとは思います。