Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年12月31日水曜日

有田景『恐怖はいつも後味が悪い』

怖さ:☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆☆

有田景、電子限定作品集。

有田先生、恋・愛の話題に異常要素を持ち込む事で、恋愛の愛憎劇がホラーになってしまう…という印象の作家で、本作品集も、 結婚・出産・育児をテーマとした3連作「若奥様 ホラー篇」を含む収録14篇中、11篇に恋・愛が関わって来ます。

好きだった女性が友人の恋人になって懊悩する「ささやき」、終始少年が蛇とのイチャコラを挟む「愛の蛇少年-恋するものはげに恐ろしき哉-」、恋患いを病気と捉えて奇病と掛け合わせる「ハヤリヤマイ」、ここでしか見れなさそうな冷麦ホラー「冷や麦」等々、それぞれにかなり特異な変さがあって面白いのですが、個人的に良かったのは「増殖するワタシ」。

「自分だけが価値を分かってるブランド」という思春期的選民意識を持った主人公、とはいえ「そのブランドが継続する事」そのものが皆が支持している証であり、「マクロでは似通った格好の人がいっぱい現れる」という主人公にとって許しがたい現実が生まれてしまい…という状況から、服格好どころか皆が徐々に自分と似た見た目・顔に変わり始め、「みんなワタシになる(そして自己崩壊)」という流れ、とても「若者」という生き物の理解が深く、かつそれをホラー漫画状況に転換する有田先生の巧さに、痺れてしまいました。



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