Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2020年2月24日月曜日

アンソロジー:牧原若菜、のせじゅんこ、坂本勲等『いちばんこわい話』


アンソロジー:牧原若菜、のせじゅんこ、坂本勲等『いちばんこわい話』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆

☆満点作品です!
…たまたま見てみたブログ、川島のりかずをやけに低い評価付けてんな…んー…んん!?なのに「ちゃお」、ジャリの読むようなヤツは満点ン!?このブログ書いてるヤツ、バカなんじゃないか!!!?
などともしかしたら思われる方ももしかしたらいらっしゃるのかもしれませんが(見えない敵と常に戦う狂人)、バーカバーカ!川島のりかず作品だって元々ジャリ向けだわ!今、フランケンを定価の100倍近くで買ってるお前の様なバカは、30年後に牧原若菜先生の「おおぐち女」を定価100倍近くで買うんだよバーカバーカ!!!
…などと、またオークションバカ値段のりかずを見て頭が沸騰してしまいましたが、まぁ自分も定価100倍近くで買うバカ、「個人」では無く、「風潮」への苛立ちですのでご容赦ください。

と、何が書きたかったかと言いますと、後発のホラー漫画ファンにとって「ひばり書房」というだけでもう軒並み高評価・高古書価の様なインパクトを与えてしまう川島のりかず作品群ですが、令和元年においても一番下は400円くらい、ひばり書房でも低評価の作品は100円付くかどうか、つまり「どんなジャンルのモノでも数あるものは玉石混合」ということなのです。
インターネット、人間の思想・主張もそうなんですが、「目立つ末端」ばかりに注目が集まるの、割ーと悪い流れ、と思うんですよね…。

失礼しました、本単行本ですが、「ちゃおホラーだからホラー漫画として満点」なので無く、「ちゃおホラーの中にあって、ホラー漫画として満点」の作品です。イーイアンソロジーだよ。

週一で訳の分からん恐ろしいモノが襲って来る・坂本勲「セキグチさん」、
理不尽なバチと最高に後味の悪いオチ・のせじゅんこ「魚の涙」、
より身近で使いやすい独裁スイッチが至る意地悪な結末・諸岡きゅうこ「白い箱」、
他、七瀬れい、小室栄子、横山真由美、溝口涼子、姫川きらら。

が、何と言ってもこの本は牧原若菜「虫に願いを…」がブチ切れてます!怖い!!(不幸にも蕪木彩子先生タイトル被り、引用元が同じだけで内容一切関係無し)
少女が虫に願い(愛)を込めると、虫は思いを受けてスクスクと成長する。…異常なデカさに育っていくカブト虫を、お父さんと共に読者は怯えて見守る。
ゴジラとかウルトラ怪獣みたいなサイズ感だと、勿論被害はデカくなるものの、災害みたいなもので、対象に対する恐怖は薄れ、被害状況や被害範囲に対しての恐怖が大きくなるのではないかと思います。怪奇は巨大になればなるほど、恐怖から遠ざかって、畏敬や絶望に変わるんで無いか、と。
故に、このカブト虫の「あからさまに通常の虫サイズでは無いけど人間よりは大きく無い」くらいの絶妙なサイズ感、改めて牧原先生の卓越したホラーセンスを感じました。その暴れ方がまた、イヤァな感じなんですよ。素晴らしい。


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