造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
☆満点作品です!
IKKI付録・漫画3作小説1作のホラーアンソロジー。
押切蓮介「かげろうの日々」以外の3作は、(一応)単行本未収録。一応、というのはオガツカヅオ「こえる」は、自費出版レーベル・釘書房『BAD END』に一度再録されたため。とはいえそちらも2025年現在では絶版・また再録の際にオガツ先生がほぼ全ページ・全コマに加筆修正(!)を行ったため、ストーリーの改変は無いものの(新版は少しだけ分かり易く追加台詞・シーンあり)、ほぼ別物です。
山崎峰水「残街」は、謎の虫により終末を迎えたらしい、アポカリプス・パニック。希望を持たせた終わり方となるものの、虫の強力さ・凶悪さ、ヒロインの境遇の悲惨さ、主人公達の寄る辺の無さ、どれを取っても絶望的要素しか無く…。
オガツカヅオ 「こえる」、不気味で不可解で不条理。難解な物語で、はっきり理解出来てない部分があるんですが、こちらもとかくイヤァな読後感。
押切蓮介「かげろうの日々」は押切作品群の中でもかなり短い部類の作品ながら、短編ホラー漫画として作家の作品の中でも最高峰の出来なんでないかと思います。とはいえ、これもすげぇ厭さ。
ラストの田島照久「ストリート・パフォーマンス」は唯一イヤホラーで無い、抜けのイイ作品ながら、これも主人公の主観に視点を絞ると悲惨なものであり…。
という、「全作イヤな感じのホラー」をうまいこと揃えて来ており、かつどの作品も精度の高い、素晴らしいアンソロジーなのですが、「IKKIの連載陣」とも微妙にズレた作家陣の様にも思えて、よくこんな付録冊子作れたな…と感嘆。
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