Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年11月8日火曜日

覇亜『ピョウ』


怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆ 

☆満点作品です!

読んで無い名作みたいなのが滅茶苦茶あります。
母親がマンガに否定的であったこと、ほぼお小遣い制ではなく自分でマンガをバンバン買って読む様な習慣が無かったこと、から、マンガを読み始める時期が結構遅めだったのです。
なので、家にインターネット環境はあって知ってはいたものの、友達が「絶対読んだ方が良い」と学校に持って来て貸してくれるまで読んだことの無かった『ジョジョの奇妙な冒険』。ネットノリで茶々を入れる様にして読み始めたあのマンガ。「滅茶苦茶腕太いじゃん!」「カエル全力で殴っとるwww」なんて笑いながら読み始めたのに、気付くと「6部まで全部読んでいた」。

一見すると「バカバカしい絵」が、却って説得力を持つことがあります。
コレを語るには、この作者の熱意が、必死さが詰まった、この絵でないといけない。
『ピョウ』はそういうマンガなのです。

後年、エンターブレインのWEBコミックサイトでプロ作家によるリメイク版が連載されましたが、打ち切り。「普通の絵柄」では、このマンガは単なるサイコスリラーに「堕ちてしまう」のです。

突然現れた怪我した女性を部屋に招き入れたピョウ。
何の成功経験も、素敵な人間関係も、これまでの人生に無かった彼は、「物語」が始まることに胸を躍らせながら、続いて現れたヤバいヤツから彼女を守ろうとする…。
あっけなく彼女は殺される。
ところから始まる、平均以下だった彼の人生の、更なる転落と、「モンスター」園田未来との出会い。

彼に起きる出来事・身の回りの人間達が、絵柄の説得力もあって、何が起こるか・何をしてくるか全く予想が付かず、けれども彼らの「語り」には独特のリアリティがあって、読者に迫って来る。

怖いですよ、このマンガは。

…更新記録を見ると
「H28nenn11/3 もうこここをのぞいているひとはいないよなぁ」のあとおかしな文章が続いています。演出にしてもこんな下手な演出をする人とは思えないし、本当に「どうにか」なってしまったんだろうか…。お金を払ってでも、作品が見たい作家さんの一人、なのですが…。



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