Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年12月2日金曜日

いけうち誠一『呪いのかつら』

いけうち誠一『呪いのかつら』

怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆



いけうち誠一短編集。
表題作、檻、霊界のささやき、小ちゃくなあれの4編を収録しており、大谷チキなんかを思わせる緻密な描き込みっぷりの「檻」、中岡俊哉の話を元にした「霊界のささやき」、と見どころがたくさんなのですが、何と言っても残りの2作がスンバラシイのです。

「呪いのかつら」。
ちょっとイケてないヒロインが、ひょんなことから手に入れた「かつら」。一見素晴らしい見た目になれるかつらだったが、それは強烈に呪われていた…。
かつらよりも、ちょっと出て来たスケバン女が圧倒的勢いでかつらに殺される様がスゴイ。表紙絵の強烈さも相まって、廣済堂恐怖ロマンシリーズ中、この本が最高であることを位置付ける作品と言えましょう。

が、最後に収録の「小ちゃくなぁれ 」がそれを越えてバツグンです。
「誰か」の残した妄想小説のようなものを漫画化する依頼の来たいけうち先生。その内容は、「人間を小さくする能力を得た少年の、残忍な日々のスケッチ」だった…。
川島のりかずを絵が上手い人が描いたような、辰巳ヨシヒロをより陰鬱にしたような、独特の温度感。

力の弱い者・傷つけられた者達を、良い絵で描ける作家は、強い。





2 件のコメント:

  1. えと、他の「小ちゃくなあれ」の部分がありますか?
    私も読みたい。 この漫画を探しています。 :D

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  2. >他の「小ちゃくなあれ」の部分がありますか?
    他の単行本で読めるか、ってことでしょうか?
    残念ながらこの本でしか読めず、いけうち先生自体も他のひばり作家のようにそれほど知名度が高い訳ではないので、この本自体も昨今見かけにくくなっているレア本です…

    面白いマンガですよ!

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