Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年7月7日火曜日

斎藤潤一郎『BEM』

怖さ:☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆

冒頭、車を駆る女はニューヨークからこの街・ロサンゼルスへの旅路に思いを巡らす。その度の中で、合衆国全体に広まる不穏な空気・人々の加速していく様な残虐さ・増える死体の数から、彼女の疑念は確信へと変わっていく。これはエイリアンの仕業では、と…。

エイリアンが紛れ込んでいる(らしい)血と狂気の国・アメリカ合衆国を、FBI捜査官ヘイドリアン・相棒を殺された警官トニーのコンビが、「捜査」のため縦断していくSFホラー。

2026年現在、斎藤先生の作品群において最もエンタメ、でもやっぱ狂気と不条理が必然はみ出よる。例えばエイリアンと二人の戦い部分においてはSFホラーなのに、出て来た時には普通のおっさんだったトニーが頭にボルトの刺さった骸骨になってしまったり。脈絡無く、マーダーイーターなおっさんが出て来たり。爆発オチだったり。

訳の分からない、はっきりしないものに怯え、国のあちこちでの暴力・残虐行為が増大していく様は、アメリカに限らず我が国・世界でも普遍的に強まっていく傾向にあって、本作はその戯画化を狙ってる様に見えつつも、単に斎藤先生の映画好き・オマージュが描かれているだけの様にも見え。いずれにせよ「変な漫画好き」にまた刺さる、でもいつもよりちょっと分かりやすい、斎藤漫画やも。




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