Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年12月10日土曜日

日野日出志『私の悪魔がやって来る』

日野日出志『私の悪魔がやって来る』

怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆


日野日出志短編集。エロ劇画を多く手掛ける、辰巳出版より出版された唯一の日野日出志単行本。

「性」はつまり「生」で、人生を描く上では切っても切れぬもの。

基本的には日野日出志先生の活躍の場は少年誌であり、性を前面に押し出す作品はそれほど多くありません。
が、こちらの短編集収録作品は、全作品中に「呪わしい性」、
淫蕩、近親相姦、淫魔、醜悪愛などの、「ぶつかり合うことで誰かが傷付く性」が必ず登場します。

表題作は「醜い男に犯される想像ばかりしていた主婦が、夫に対して醜くあって欲しい、と願うようになる」という地獄の様な性にまつわる作品。強烈です。

どうしてもエロシチュエーションを作らねばならない、というところで奇怪なもののデザインの強烈さ・作品としての単純な恐ろしさは少し薄れてしまっていますが、他作品に出て来る「母」や「姉」の放つエロス、その根源が気になる方は、是非ともこの単行本で「類型」をご覧あれ。





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