Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年9月10日火曜日

宮本ひかる『せむし狂女』

怖さ:☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆

兄の奥さんが産んだ子がせむしだったので、恵美子は周囲の否定的な感情を無視して赤子を強奪・一人で赤子を捨てに行く事に。当たり前っちゃ当たり前ですが、父母では無く、捨てた先で赤子の死に様を目撃した恵美子に、赤子の祟りらしきものが降り掛かる。…とこまではまだしも、事象とほぼ無関係な恵美子のクラスメイトの男子に、直接的な祟り・外観的な赤子の憑依現象が起きて…。…感覚・倫理、「ザ・昭和」という感じを発端に進行していく恐怖譚。怪奇事象がピックアップされる漫画の描き方ながら、そもそも恵美子家族の倫理のぶっ壊れ方が、令和の今となっては恐ろしいところ。

とはいえ、表紙・タイトルのショッキングさこそが、内容以上の魅力を持つ作品でないか、と思います。

すっきりしない終わり方は、怪奇漫画として失敗の様にも成功の様にも思えて、なんともモヤモヤ...。



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