Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年9月30日月曜日

油豆、高港基資『恐之噺』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

少年画報社、コンビニ再録コミック。

個人的に油豆先生の漫画の絵自体は素晴らしいんですが、漫画そのものがほぼ全て「実録コミック調」であり、語り手が無事生き残る事・心霊/怪異が恨みや憎しみといった現世事象に縛られている事から、ホラー漫画としての盛り上がりは弱いです。

ただ、そうした感覚と高港先生の「入りは怪談漫画的ながらオチ付近で漫画的としか思えない結末を迎える」という作風の落差があって面白いです。

特に、子育て幽霊とのハートフルストーリーかと思いきや酷いエンディングを迎える「母子霊」・電子のみで初めて紙の本として刊行された、本の中で最も酷い展開・暴力沙汰になる「再生」は、作家の作風の差異があってこそ。



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