Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2020年10月7日水曜日

みやすのんき『リフレッシュ』

みやすのんき『リフレッシュ』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
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☆満点作品です!

『やるっきゃ騎士』がおそらく代表作の、みやすのんき先生、SF&ホラー作品集。全3巻。…あまり個人的にエロコメ・ラブコメ・萌え等々に食指が動かず、「ひろもりしのぶ」という別名義がある、という事しか作家情報として知りませんでした。ホラーも描かれてるとは…。個人的趣味としてはスプラッタとかもお好きな作家さんなんですね。

全3巻中概ねSFっぽい雰囲気で、上巻のみ「SFホラー」で全編が固められています。中巻に若干ホラー調のSF・下巻にホラーがそれぞれ1編ずつ入っていますが、問題作は上巻に掲載されているため、お好きな方は上巻だけでも満足行くかと。

・「BLOODY SHOW-血の舞-」…ある少年が悪意を持ってESPでやりたい放題をし始める。感応するように、ESPに目覚めた少女がそれに対抗するが…。童夢的なサイキックホラーなのですが、少年の悪意の表し方が陵辱エロゲーの様なとても陰惨なもので、全校集会で女性生徒会長を錯乱させて脱がす・女性教師を閉鎖空間に閉じ込めて自慰させる等々…。初っ端がコレなので、表紙のイメージに反し過ぎだろ!と驚きました。全収録作の中で、最も精神的にグロテスク。

・「海からきた少女」…海からきた少女が、何らかの願望を持って、少年に悪夢を見せる。しかし、悪夢はやがて過剰になり、現実と区別が付かない生々しさを得ていく。こちらは上記のものと好対照に、最も表現がグロテスク。海産物モリモリ+水死体的なドロリッチ。

上巻は他の掲載作も、どう考えても嫌な状況にしかならない、漂流宇宙船船内の描写「SHE IS...」、仁木ひろし氏が何らか関わっている、ホラーチックなSFアクション「ANYONE'S DAUGHTER」等、良作盛り沢山。

みやす先生、もしかしたら他でも伝奇やホラーを描かれてるのかもしれませんが、「ちょいエロ系の巨匠」イメージだったので(表紙もそのイメージに沿う様な装丁で)、まさかこんなに良作ホラー漫画を描かれているとは。意外でした。


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