Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2019年12月19日木曜日

聖レイ『花芯コレクター』

聖レイ『花芯コレクター』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆

例えば、早見純作品には「早見純はエロなのかホラーなのか」と迷ってしまう様な無茶苦茶さがあるものの、聖レイ作品は確実にエロ、紛う方無き「エロ劇画」ではあるですが、ちょいちょい意外な暴力性が滲み出ており、もっともヴァイオレンスな単行本がこの『花芯コレクター』、その中でも一番酷いのが「熱愛!!肉ドール」かと。

「熱愛!!肉ドール」。
ある猟奇殺人鬼の、「作品」制作過程の日常を追う。
本単行本中に5つほど、他聖作品と比べても残虐描写の強い作品が載っていますが、本作は屈指の描写・狂気。殺人鬼である彼の辿る末期も、「作品」に対してあまりに真っ当な狂いっぷりで、感動すら覚えます。

とはいえ、単行本としては概ね、暴力描写が過激なエロ劇画。ホラー的な物語運びの巧さ・異常な存在の爆発的な活躍などは無いので、それを期待して必死に探されたりはせぬよう。


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