怖さ:☆☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
平成の名ホラーシリーズ・3篇を経て、完全新作の6篇の単行本化。
内田春菊という作家の時代の捉え方・その(描写では無く)捉え方の普遍性に改めて感動するほど、「様々なシチュエーションで1枚のワンピースが女達の人生をかき乱す」という作品の骨子の部分は前作そのままに、感覚だけが見事に2020年年代へとブラッシュアップされており、文句無しにホラー漫画として面白い上に、その前作との差異まで面白い。
個人的にはミニマリスト志向女性がワンピースに感覚を揺らがされる「十一子の場合」が特に面白かったです。
2点だけ惜しいな、と思ったのが、前作は「ハロウィン」という雑誌故に寄せたカラーだったのか、本作では「絵的に怖がらせよう」という部分が無い事。とはいえ、それが無くとも「ホラー」を感じさせられるだけのストーリーと演出の骨太さがありました。
と、そっちは些細ながら、こっちは割と気になる所で、「前単行本と本のタイトルが同じ」!!…勿論話者が気に入ったエピソードタイトルで語れば良いのかもしれませんが、とはいえ、文字情報だったり、そも前単行本の事を知らない人だったり、という対話空間中において「違う本が同一のタイトル」というのは、ちょっと工夫すれば良いだけの部分ながら、後に残るその影響はデカい。
0 件のコメント:
コメントを投稿