オガツカヅオ「いついたるねん 反復」
怖さ:☆☆
造型:☆
状況:☆☆☆
やったーぜ!
伊藤潤二読切目当てで購入したものの、オガツ先生の、しかも「いついたるねん」が掲載されとる!
Nemuki+ Vol.26。
霊感のある妻・妻を気遣う夫・妻にしか見えない小さな女の子霊、の三人組で綴られる連作「いついたるねん」。
バスに乗る妻。が、どうやら状況は「夢の中」らしい。
座席の下に落ちた空き缶を拾い上げると、空き缶から小さな手がいっぱい生え、その手が鼻から自分の中に入って来た…。
夏目漱石の『夢十夜』を思わせる様な、ちょっと怖いけども不安になるだけ、というような微妙な温度感。
オガツ先生の絵、造型は見て「うわぁ!怖い!」といったものではなく、読者はその作り出された状況にちょっとずつ追い込まれて行く様な感覚があります。
「反復」では「妊娠しているのか?」「主人公の目に見えている幽霊は何者?」「幽霊の見える見えないの状況の違いは?」「これは現実か夢か?」と少しずつ不安ポイントが蓄積され、最後にドバァッと来る、実に「オガツホラー」感ある、良短編でした。
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