池川伸治 『七才のペテン子』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
何度か「話の通じない人は怖い」ということを書いている気がしますが、
この作品における「敵キャラ」、「ペテン子」勢は皆話が通じず、それが群を成して家に飛び込んで来る恐ろしい物語です。
表紙を見ると、ん?ジキルとハイド的な、二重人格かなんかのサイコサスペンスかな?と思わされますが、大まかに言ってしまうと、「基地外集団との戦い」のお話。
ある日突然現れた「ペテン子」。ヒロインの女の子の住む家に、唐突に侵入して来て、犯罪というほどでないにしてもちょっとした嫌がらせの様なことを色々して来て、「困った変な子だなー、ヤレヤレ」となっていると、ペテン子の仲間らしき、青年・女性・爺なども一緒になって変なことをし始める。
それが糞尿引っ掛けたり、とかではなく、唐突に家の中に出現してビックリさせて来る、といった微妙に可愛らしい嫌がらせなのです。
とはいっても家の中に知らない人がポンポン現れるの、想像するとスゴく怖いですけど…。
という話が、何故か「交通事故への問題提起」へと繋がります。締めの文言を読むと、交通事故・交通事故死に対して、その発生件数などに池川伸治先生が憤りを覚えている様なのですが、じゃあもっと車とか絡めたホラーにすればいいのに、こんな基地外譚みたいなものを!
オチもよくよく考えると恐ろしいのですが、
どちらかと言えば突拍子もない締めくくり方に、呆気に取られる気持ちが大きい作品。
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