Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2013年4月18日木曜日

このWEB漫画(企業が関わらないヤツ)がヤバい!10選



昨晩、友人に教えてもらったWEB漫画が素晴らしかったので、
その紹介も兼ねて、個人的に大好きなWEB漫画(企業が関わらないヤツ)を10作品紹介します。ほんとはゼクレアトルとか、モブサイコとか大好きだけど、敢えてそういうのは紹介しないよ!
敬称略。

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教えてもらった漫画。
シュールという言葉すら、生温い。

明らかにおかしな単語と単語の組み合わせで出来た謎の単語を、ただひたすら真面目に絵にするだけ。でもその組み合わせが、「可笑しい」ではなく「オカシイ」のです。
「ダブルカーブバーガー」とか「墓神経猪木」って何なんだよ!なんなんだよ!!
でもそれをきちんと絵にして見せて、あ、なるほど、それがこれなのか、と何か変に納得させられてしまう説得力。
友達が推してくれた、1コマ〜4コマのシリーズ、『女とコーラ』が、非常にこの「ぼく脳」さんのオカシさを端的に教えてくれて、イイ感じです。


無料公開してるのが何で?ってレベルの、有名ウェブコミック。
フルカラーで美麗な絵も素敵ですが、
それ以上に、最初はホラーオムニバスものなのかな?と思いきや、どんどん物語が加速して膨れ上がって行き、神や悪魔が惜しげも無く登場し始めて、クトゥルーにも似た壮大な展開を見せるストーリーは、是非とも漫画好き・ホラー好き・SF好きに読んで欲しい。
また、その神やら悪魔やらのチート能力に対して、「運が良い」位しか能力の無い主人公・稀男が知略と汗とを絞り尽くして闘う様が素晴らしくカッコいいんです。いや、カッコ悪いんですが、それがまたすげぇカッコいい。
ファンだったのもありますが、あまりにも無料で読ませてもらってるのが申し訳なくて、サラリーマンの昼食一食分くらいの高解像度版、購入しましたよ、わたしゃ。




うすた京介をちょっとイイ話にしたような漫画を描かれるmadoさんによる、実録疾病エッセイ漫画。
小学校の時肺炎を患って以来、俺は大病・大怪我に冒された経験が無く、この漫画に描かれる「大腸の奥深くまで内視鏡が入り込む」とか「自分は気が狂ってしまってこんな所に幽閉されているのではないかという妄念に囚われて」とか、「病院描写」が酷く怖かったです…
『人間仮免中』を読んだ時も思ったんですが、良く出来たホラーなんかよりも、自分の生活しているすぐ隣にある「異世界」の方がよっぽど怖い。健康に生きられるって素晴らしいけど、でもだからこそ、ちょっとしたことで「異世界」に行っちゃうんだよなー、俺は、なんて思いました。震える。


民間伝承・都市伝説の妖怪やらが、割とすぐ隣に息づく村、百鬼村。だが今年は、例年とはちょっと違う、いつもより濃い感じの、暗雲が漂う…。
ホラー+バイオレンスアクション、という若干『ゆうやみ特攻隊』を思わせる雰囲気ながら、きちんと「伝承・伝説」の部分を押さえてアレンジを効かせた妖怪が登場するのと、それらが当たり前に登場するが故に「それらと闘えるのは主人公一派だけが持つ特権ではない」ところが、非常に面白い話です。
しかも逆に「主人公はビビリで、何の戦闘力も無く、戦闘には参加して来ない」ってのも中々面白い!主人公の一族は、怪異に対して異様に戦闘力が高いにもかかわらず、です。同作者の方の、前作はギャグ漫画だったんですが、圧倒的に今作が面白い!


「桃太郎」をモチーフに、鬼と人と亜人、それのどれにも属さぬ者、異種族間の様々な軋轢・交流を描くファンタジー群像劇。
話が進む度に、絵柄がどんどん洗煉されていきます。描いてる途中で、『旦那が何を言ってるか分からない件』が本になって出版されてましたが、俺は断然こちらの作品を推します。そっちにもちょろっとピーチボーイのキャラがカメオ出演してて、個人的に胸熱ではありました。
鬼を倒す者・桃太郎と、鬼と、という物語に加えて、聖書やらを絡めて、西洋風ファンタジーに仕立て上げており、壮大な物語が好きな人に勧めたい。
主人公・サーリーは鬼と渡り合える「能力」を持っているのですが、それがどんどん成長していき、やがてカンストを越えて、というDBみたいなインフレバトルもの要素もアリ、です。
キャラクターがしっかり描かれており、その意図や感情が交錯する様が堪らなく面白いんですが、個人的には作者のパイズリへの熱意も評価したい所であります。


「百鬼夜行衆」なる謎の集団から、「キラハガネ」を守らなくてはならないという、「超機動生徒会」の活躍。一見すると、単なる能力バトル漫画。
物語の開始時は、良く言えば王道の少年漫画的展開、悪く言えば流行の少年誌作品の劣化コピーのような雰囲気だったのに、それをどんどん覆していき、「こう来たらこう来るだろう」という凡百の読者の予想をガツガツ引っくり返していく、「アンチ少年漫画」のような姿へと変貌。特に63話からの展開は、それまで読んで来て読むのがイヤになるレベルの引っくり返し方でした。
「少年漫画」という形に愛があればあるほど、面白く読める筈。


ミュータント・欠損・フリークスを中心に据えて、毎回エロかったりグロかったり可愛かったりする漫画を描かれているつくすんさんが、『バイオメガ』を下地にアクションに挑戦。
つくすんさんはホント、肉体・精神共にグロい漫画を描かれるのが非常に上手い方なんですが、本作は、以前からちらほら登場していた「人外エログロ」を完全に柱にしてしまって、もう登場人物の七割は完全人外、という漫画。
俺は『バイオメガ』を読んでないので、「西亜重工」くらいしか分かる単語が無いんですが、登場する「合成生物」達がカコカワ!人とも獣とも、男とも女とも区別がつかぬ「彼ら」が、各々の能力を死に物狂いで駆使して、サイボーグ化兵士「巡回査察員」達と闘いを繰り広げる様は、その構造のグロテスクさが最早気にならない、気にしてられない面白さがあります。



マイクロマガジンがまとめて本として売ってる『奇異太郎少年の妖怪絵日記』が妖怪バージョンとするならば、それの都市伝説バージョンとも言うべき漫画。
「奇異太郎」なんて名前とそのビジュアル、ウェブ漫画だから許されるよなぁー、とか思ってたら、本にしちゃって売り始めたけど、大丈夫か…?
強い霊力を持っているがために、霊に触れる・殴れる・セクハラ出来る少年、「奇異太郎」が、様々な都市伝説達と触れ合う。
で、その触れ合い方が実に人間的というか、ギャグ漫画的というか、語り手が死ぬ系の話、「猿夢」や「赤い紙青い紙」、「八尺様」「ボイラー室の鍵穴からドライバー」等の話も、全部「霊力」で茶化し切って「日常」に変えてしまう様は、ギャグなんだけど、何とも痛快。

特にストーリーも無く、登場キャラも安定せず、特に何の目的もない主人公達のダラダラした無気力が描かれる。
流石タイトルに「バンド」を冠してるだけあって、音楽ネタが豊富で楽しい。各話も、何らかのロック系の曲名になっていて、へうげものか!という楽しみも。
「バンドをやらない代わりに、何事かを行う漫画」っていうワケではなく、ホントに「バンドをやらないだけの漫画」。
惜しむらくはあっという間に連載終了してしまったこと。この、ペイントで描いた様な絵柄で、無理なく、ダラダラずーっと続けて欲しかった漫画です。

安藤先生はエロい先生!だけどもアンデッド!
「不死者」である安藤先生が、簡単に内蔵見せたり手足をもいじゃったりするんだけども、何故か「だがそれがイイ!」みたいになっちゃった生徒・サキくんと、ラブラブいちゃいちゃする四コマ。
四コマなんだけど、すごくナチュラルに臓器とか出て来るので、きららとかにゃあちょっと載せらんねぇ漫画。でも安藤先生、とっても可愛いんですよ。ドジっこだし、巨乳だし。鳥山明の漫画論みたいなところで見た気がするんですが、曰く、「主人公が完璧であってはならない」と。そうした意味で、「安藤先生の欠損」は『漫画的に完璧』だと思います。



なんだか選んではみたものの、何か血腥い感じになっちゃったぞ…
いや、でも素晴らしい漫画ばかりなので、漫画好きな方はどれも一読してみて下さい!何と言っても!タダなので!
裏サンデーとか、となりのヤングジャンプとか、「目ぼしいウェブ漫画作家さん」がどんどん出版社に引き抜かれてる印象の昨今ですが、まだまだ、ネットの海はお宝だらけですね!





一年前の春アニメで、良いな、って思ったOP。

好きな漫画を百個並べるという企画。もう二年前か…





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