Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2015年9月10日木曜日

奥様、はやく読んだほうがいいですわよ『櫻井大エネルギー』



快楽天からの刺客、櫻井エネルギー先生の作品群が遂に単行本で読める!狂喜!
…おや?そちら様、ひょっとして櫻井エネルギー先生をご存知ない!?
はぁー、なるほどなるほど。それは残念ですな。是非ともその魅力の数々、思い知って頂きましょう!



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そんな訳で、たまたま雑誌を性よk…知的好奇心から購入したところ載っていた「櫻井エネルギー」という作家さん。道満晴明さんが快楽天から一般誌へ移った後の、「快楽天エロ以外枠」で載っているのかな、と思いますが、とにかく凄いんです!
その凄さを、この単行本の素晴らしさを、3つの「過ぎる」でご紹介します。

①設定が意味が分からな過ぎる
買って良かった快楽天、と思った、俺と櫻井エネルギー作品との邂逅。
コレが初エネルギーとなった、「変身!松下くん」。説明しよう!松下くんは怒ると美少女になってしまうのだ!が、怒りの段階とともに、彼はワニ→魚→笹かまへと変身を遂げる!のだ!…なんだコレ。
もうね、この勢いで押し切る意味の分からなさがね、受けた感動具合がつげさんの「メメクラゲに刺されてしまった」を高校生の時分に見てグオオってなった時、いや、デュシャンが便器を作品として提出するという発想の転換に対して驚いた時並みの、ガツンと来る感じ、しました。
自分では思いつか無い「何か」を見せつけられた時、人は感動する。

②誰も突っ込まな過ぎる
俺が好きなお笑いの定型として、「演者自体が面白い」というのがあります。
どうも、イジリとかひな壇とか、力関係が見える笑いが苦手なんですよね。チャップリンやバスターキートンが時代を越えて面白いように、「その面白さをツッコミ(という第三者)が指摘するまでもなく面白い」という笑いがあります。現実(常識)から遥かにズレた、超現実。
櫻井エネルギー作品は全体的に、ツッコミ不在。出て来ても、あまりに突っ込む対象がズレており、全くツッコミが追い付かず、ツッコメない所まで追いやられる。
登場キャラクターたちのネジのはずれっぷりが、素敵な超現実的磁場を発生させているのです。すき。

③キャラクターが蠱惑的過ぎる
あとね、エロい。
上に例示した道満晴明さん、いや遡りましょうか。手塚・石ノ森など、その後に続く日本のマンガを作り上げた人たちのマンガが未だに人の心を惹きつけ続けているのはエロいから
勿論エロマンガではないのであくまでそれはマンガを構成する一要素なのですが、セクシュアリティはフィクション・ノンフィクションを問わず、確実に「在る」ものなので人を惹きつける
ので、可愛い・エロいは正義。
快楽天の他作品に劣らぬその絵柄で、行為の際に国名を挙げ続ける・カレーと行為するといった他作品には絶対無い所からのアプローチ。俺は彼をこう呼ぶ。「天才」、と…。

どうです?読まなきゃ、って気持ちが湧き上がってきませんか?
今、読むべきです。このマンガを。おとなも、こどもも、おねーさんも!

余談。
編集者の悪意バリバリのアオリが楽しい「私と貴方とウゴウゴルンガガンダ教」は、
流石に単行本にアオリが載らなかった模様。
良かった、スクラップしといて…。

つっぱしったやつがかち。

1 件のコメント:

  1. 快楽天にはエロ漫画以外も載っていたんですね
    レビューを読んでヒジョーーに興味がわいたので読んでみたいと思いますbb

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