Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2017年5月30日火曜日

森由岐子『幽霊学校の赤ちゃん』



森由岐子『幽霊学校の赤ちゃん』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆

森由岐子先生の描くホラーは、展開の変さ・絵の雰囲気から、あんまり怖くは無い、のですが、例えばペイヴメントやヴァセリンズが、超絶ギターテクが無くとも格好良くて、「ローファイ」なんて言われて称揚されるが如く、
「森由岐子風、だがそれ故にイイ」作品がどっちゃり。

特に本作でピックアップされるモンスター「赤ちゃん」のデザインは、奇妙さはあれど、気持ち悪さも怖さも無く、却って可愛らしく見えて来るほど。
ではこのマンガ、何が「イイ」のか。

お嬢さん学校として名高い白雪学園。
その中でも、成績優秀・人格高潔・容姿端麗で、皆の尊敬を一心に受ける真衣子さん。
が、当然そうなると彼女への対抗勢力が現れる訳で、
そいつらが「真衣子は孕んでる」等と下劣な噂を流し、真衣子への精神攻撃を加えると、あっさり真衣子は死んでしまう!!
が、そこからが、真衣子の本領発揮。彼女は怨念パワーで以て、見知らぬ赤子と自身の霊体を突き動かし、それらの勢力を全滅へと追い込むのであった…。

色々とそっくりなタイトル、K.ギマン『夜の学校に幽霊赤ちゃんが!』と比較すると、前述のバンドの楽曲の如く、悲惨な大筋の割には何かカラッとした読後感があります。
それには「赤ちゃん」がかなりイイ味を加えています。

やっぱ悪いヤツには祟りをぶつけてやらんと、ですよ!!


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