Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年12月4日木曜日

アンソロジー『本当に怖いネット掲示板百物語』

怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

「SCP」登場以前、2chオカルト板に書き込まれ、一種の定番と化した怪談作品を、「ネット掲示板百物語」と規定し、コミカライズ。

『SCPってなんですか?』、漫画版フェイクドキュメンタリーQ的な『Q この漫画に見覚えがある方はお知らせください』、『変な家』コミカライズ等を2025年現在連載中の、一迅社・comic HOWLより描き下ろしアンソロジーとして刊行、現在シリーズとして全三作中の二。

題材からして、元ネタを読めばよい、と思っていたのであまり食指が動かなかったものの、『コワい話は≠くだけで。』の景山五月が「きさらぎ駅」を描いてる、とのことで購入。

景山五月、また京極堂シリーズのコミカライズで著名な志水アキによる「ドライブイン」、の二作の解釈とビジュアルの付随の仕方に痺れます。

上記二作含め、全作見栄えの良いアンソロジーでしたが、ページ数やおそらく編集の意図等もあって、元ネタから逸脱した面白みは無く「コミカライズアンソロジー」という感じ。

ただ、景山五月の「きさらぎ駅」の、「掲示板への書き込みと現実での行動のリアルタイム感」の描き方は、令和の今となっては中々鮮烈で(「電車男の実写化」なんかを踏まえると一種実直ではありますが)、この一作の為だけにも十分手に入れる価値があるかと。




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