Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年12月1日月曜日

高橋葉介『クレイジーピエロ』

怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

高橋葉介、ダーティ…というかゴアヒーロー作品。

バンバン殺すクレイジーピエロによって、他の高橋作品と比べても、血・モツの登場量多めかと思いますが、それでも清冽・整然とした空気感でほぼ汚さを感じさせない所に、高橋先生の凄みを感じます。

夢幻さんに並ぶ怪奇ヒーローながら、単行本一冊分しか作品が無いのが非常に惜しく思います。怪奇の『夢幻紳士』に対し、恐怖の『クレイジーピエロ』、と言っても良いくらい、個人的には存在感のあるキャラクター。

ある少年を助けるために老婆によって施された術が、少年の中に無敵・無法・狂気の人格を産み出す。

正義・倫理・相手の邪悪さ・強弱を、描いている作家は捉えつつも、キャラクターはそこに無頓着に、ただ自分のやりたい様に振る舞うことで、彼は「ダークヒーロー」と化します。「一人ではどうせ何も変わらない」という言葉を投げ掛けられたクレイジーピエロの返答が痺れる。

「そうかもしれない だが…おれはクレイジー(きちがい)だからな そんな道理はわかりゃしないのさ おれはただ目の前の敵を殺すだけだ 殺して殺して殺しまくるのさ かたっぱしから地獄へたたっこんでやるのさ」

  



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